積み立て投資を保険商品でやってもいい?

「積み立て投資をするなら変額保険で」と勧められた経験のある人がいるかもしれません。変額保険とは、毎月決まった額を積み立てると、保険会社がそのお金を株式や債券などに投資してくれる保険商品です。プロが運用してくれる投資信託の積み立て投資とよく似たしくみに思えますが、いくつか異なる特徴があります。

変額保険は保険料払い込み期間が終わると運用成果に応じた保険金を受け取れる保険で、さらに死亡保障もついています。満期に受け取る保険金は運用実績によって変わります。運用の中身は、保険会社が用意したラインナップから選べるものが多く、選択肢は一般的な投資信託とよく似た対象です。すると、投資信託の積み立て投資に死亡保障がプラスされたようなイメージなので、おトクに感じる人もいます。

しかし、保険商品は投資信託に比べるとコストが高く、同じような対象に運用していても受け取れる金額は大幅に少なくなる傾向にあります。資産運用は投資信託など専用の金融商品で行ない、万一の備えはシンプルな掛け捨ての死亡保険や医療保険を活用するのが合理的です。一般的にはセット商品はバラで買うよりおトクですが、資産運用の世界では単品買いをするほうが有利です。

単品で持つほうが、お金が必要なときに資産運用商品だけを換金して保険を残したり、保険が不要になったときは保険だけを解約して資産運用は継続する、といった柔軟な対応も可能です。また、後章で詳述しますが、投資信託で運用するほうが、より税制優遇措置を受けられる有利なしくみを利用することもできます。

【出典】『ほったらかしで3000万円貯める! お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ) 日本文芸社刊

監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!』(SB クリエイティブ)、『まだ間に合う! 50 歳からのお金の基本』(エムディエヌコーポレーション)、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)などがある。