iDeCoとつみたてNISAに〝弱点〟ってあるの?

iDeCoもつみたてNISAも、公的年金の不足分を若いころから自助努力で補う有利な制度ですが、弱点がないわけではありません。

●企業型DC(企業型確定拠出年金)では、自分で口座を選べない
まずiDeCoでは、制度そのものがメリットである反面、さまざまな制約もあるので、デメリット・弱点と考えることもできます。具体的には、「加入年齢が60歳未満と決まっている」ことは、50代など年齢の高い人にはデメリットですし、「原則60歳まで引き出せない」こともデメリットといえないわけではありません。掛金の限度額が決まっていることも、できるだけ大きな投資をしたいという人には不足ですし、手数料がかかるのもイタいところです。

また、iDeCoでは、iDeCoを取り扱う証券会社や銀行から加入者が自由に選んで口座を開設できますが、企業型DCでは勤め先が選択した証券会社や銀行の口座を使うので選ぶことができません。本書で紹介する長期分散投資では、基本は低コストのインデックス投信の利用をおすすめしています。ですが、約20年前、DC制度が始まった当初からある企業型DCでは、信託報酬がいまよりも高かったころの投資信託にラインナップが偏っているケースもあるようです。

コストが高く、あまり運用成績もよくないアクティブ投信(独自の分析・選定で運用成果を上げることをめざす投信)が中心だったり、高い水準の信託報酬のものが残っているケースもあります。ところが、インデックス投信(第6章で解説)はリーマンショック以降に各社が競ってコストを引き下げ、安いコストで運用できるようになりました。一方、引き下げ競争が始まるずっと前に設定された古い投資信託も利用者がいればラインナップからはずすことがむずかしいのが現状です。勤務先が提携する金融機関の投信のラインナップに満足できないときは、許容できる投信を探して、企業型DCの外で別の対象に投資し、分散投資を行なうことも検討します。

【出典】『ほったらかしで3000万円貯める! お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ) 日本文芸社刊

監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!』(SB クリエイティブ)、『まだ間に合う! 50 歳からのお金の基本』(エムディエヌコーポレーション)、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)などがある。