ヘラの嫉妬心に苦しめられながらも勇敢に苦難を乗り越えた

ゼウスと人間界の王女アルクメネの間に生まれた息子ヘラクレス。その誕生はゼウスの妻ヘラの嫉妬心の的となり、生涯にわたってヘラの陰謀に苦しめられることになります。

アルクメネには婚約者がいたものの、ゼウスは美しい彼女を見染めて口説きます。アルクメネが婚約を理由に断ると、ゼウスは婚約者に化けて彼女をだまし、契(ちぎ)りを結ぶのです。

母子は犠牲者ともいえるのですが、ヘラは容赦(ようしゃ)しません。生まれたばかりのヘラクレスのベッドに毒蛇を行かせますが、嬰児(えいじ) ヘラクレスは、恐れることなく素手で毒蛇を締め殺します。

ゼウスの血を引いたヘラクレスは、誰が見ても感心するような逞(たくま)しい若者に成長。愛する妻との間に何人もの子どもが生まれます。

復讐(ふくしゅう)の機会を待ちわびていたヘラはヘラクレスに狂気を吹き込み、妻子らを自らの手でみな殺しにさせてしまいます。

正気に戻ったヘラクレスは、それこそ気も狂わんばかりに嘆き悲しみ、自らの罪を償う方法を神に問いました。

「ミュケナイ王に仕え、王が課す難業を成し遂げよ」と告げられたヘラクレスは、王のもとに行き、命じられた難業に挑む冒険の旅に出ることになります。

*ミュケナイ王:本来ヘラクレスが王座につくはずだったミュケナイ王国の王。ヘラの陰謀によりヘラクレスより先に生まれて王の座についた。ヘラクレスの英雄ぶりに嫉妬して厳しい12 の難業を課した。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
著者:鈴木悠介  日本文芸社刊