世界の中心にそびえ立つ巨樹のもとで展開する死闘

北欧神話とは、スカンディナヴィア半島からドイツ北部のバルト海沿岸で暮らしていたゲルマン人の間で語り継がれた神々の物語です。

世界にはもともと何も存在せず、霧だけが立ち込めていたというところから北欧神話ははじまります。そこに、原初の神・巨人ユミルが誕生し、巨人族がつくられていきます。

一方、最高神と呼ばれるオーディンも誕生。オーディンは、巨人族と対立するアース神族の中心的存在となり、やがて巨人ユミルを殺害。その肉や血、骨、髪、脳などを材料にして天地を創造していきました。

北欧神話の世界観は、世界樹ユグドラシルで語られます。ユグドラシルとは、世界の中心を貫くトネリコの大木のことで、周囲を天上・地上・地下の3層が取り囲んでいます。

天上にはオーディンら神々が暮らすアースガルド、ヴァナヘイム、アールヴヘイムがあり、地上には人間界のミドガルドと巨人族が暮らすヨツンヘイム。そして地下には霧の国ニヴルヘイムと死者の国ヘルが存在します。

オーディンら神々と巨人族との壮絶な死闘は、すべてユグドラシルの中で展開していきますが、最終戦争ラグナロクによってオーディンをはじめとする神々は滅亡。ユグドラシルも焼失して北欧神話は終末を迎えます。

*ヴァナヘイムとアールヴヘイム:ヴァナヘイムはヴァン神族の国。アールヴヘイムは光の妖精らの国で第一層にあり、ヴァン神族のフレイが彼らの王とされる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
著者:鈴木悠介  日本文芸社刊