聞いたことあるけどどんな仕事なの?

大型船舶の所有者は、船の所有権、貸借権、抵当権などに関して、法務局に登録しないといけません。これを船舶登記と言います。船舶登記など海についての法務手続きを依頼人の代理で行うのが、海事代理士の仕事です。仕事内容が似ていることから、「海の司法書士」「海の行政書士」とも呼ばれています。

船に関する法律は複雑なので、海事代理士の仕事は専門性が高いものになっています。船舶登記は弁護士や司法書士でも行えますが、船舶国籍証書取得や船舶検査などは海事代理士ならではの仕事です(船舶所有者でも行うことは可能)。

海事代理士になるには、海事代理士の国家試験に合格しないといけません。試験を突破した後に、地方運輸局に登録すれば海事代理士と名乗れます。晴れて海事代理士になると自分で開業することもできます。ただし、海事代理士の資格だけで食べていくのは難しいかもしれません。

実は司法書士、行政書士、社会保険労務士など他の士業の資格も持っている海事代理士がほとんどなのです。海事代理士専業でやっていけている人は、海運・造船業界に太いパイプを持っていて、兼業することで常にたくさんの仕事を確保できているのだと考えられます。そうでない場合は、収入的に厳しくなります。また、他の士業の資格を持つ人の知識量なら、海事代理士の試験に受かりやすいという事情もあります。

こうした理由から、海事代理士専業だと収入はあまり高いとは言えません。ですが、前述のように人脈を持っている人であれば開業当初で年収500万、ベテランになれば年収1000万円以上を稼ぐことも可能なのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 職業と給料の話』