下落・暴落相場がきたら何をすべきでしょうか?

積み立て投資の設定を終えてしまえば、あとは毎月自動でお金が積み立てられていくので、何もやることはありません。最初のうちは頻繁に口座をチェックして、前日よりも何円増えた、何円減ったとドキドキするかもしれません。それでも、平時はそんなに大きな変動をするわけではないので、そのうち飽きてみなくなってくるものです。積み立て投資はほったらかし投資ですから、それでかまいません。投資していることを忘れてしまってもいいのです。

積み立て投資をしている間、何事もなく右肩上がりに資産が増えてくれればいいのですが、そうもいかないのが資産運用。金融市場は上がったり下がったりを繰り返しながら成長していくので、下落相場を避けては通ることはできません。しかも、短期間で急激に資産価格が下落する〝暴落相場〞も、ある日突然襲ってきます。上昇相場は時間をかけてじりじりと上がっていくものですが、下落相場は突然やってきて急激に下がる傾向があります。それが怖いところです。

「少し前までは大きな含み益が出ていてホクホクしていたのに、気がついたら含み益がすべて消えていた。それどころか大きな含み損状態になっている!」こんな事態もめずらしくありません。

●相場に波があるからこそ、儲けも生まれる
積み立て投資は、順調に右肩上がりを続けていく対象より、下落相場や暴落相場を経験し値動きに上下の波がある対象のほうが最終的な利益は大きくなります。

投資は安く買えるほど利益が出るので、安くなっている期間があるほうがおトクに仕込めます。下落している期間が長ければ長いほど、あとから回復したときの利益は大きくなります。それなのに、目の前の下落が怖くて投資をやめてしまったら、せっかくのチャンスを逃すことになります。チャンスを着実にものにするためにも、積み立て投資はやめてはいけないのです。


100年に一度の金融危機といわれたリーマンショックでは、下落相場は1年以上続きました。今、当時の株価チャートをみれば、絶好の買いチャンスだったことは明らかですが、実際にその渦中にいると怖くてたまらなくなるものです。一生懸命働いて得たお給料をコツコツ積み立ててきたのに、それがどんどん減っていき、みるたびに含み損が大きくなっている―。そんな事態に直面すれば、「このままずっと下がり続けるのでは? 耐えられない……」だれだって、そんな恐怖を覚えます。

こんな状況で、毎日証券口座の残高をチェックしていると、怖くなったり嫌になったりして売りたくなってしまうかもしれません。しかし、こんなときこそ〝ほったらかし〟です。下落相場では、証券口座をみないようにしましょう。積み立て投資は何もしなくても継続できるので、余計なことをするぐらいなら忘れてしまうほうがずっとよいのです。そういう意味で積み立て投資は、ほったらかしにしてもよい投資ではなく、戦略的にほったらかしにしなければならない投資です。このことを肝に銘じておく必要があります。

【出典】『ほったらかしで3000万円貯める! お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ) 日本文芸社刊

監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!』(SB クリエイティブ)、『まだ間に合う! 50 歳からのお金の基本』(エムディエヌコーポレーション)、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)などがある。