古生物の基本単位は生物学と同じ「種」

生物は互いに関わり合いながら、住む環境のなかで生態系というまとまりを築いています。その仕組みを知るためには、それぞれの生物の特徴を調べ、体系的にまとめなくてはいけません。

このように生物を各々の特徴によって分類し、生物の多様性を理解する学問を分類学といい、生物学、古生物学の重要な一分野になっています。

生物を分類する基本単位は種(しゅ)です。 種は、生物学では「形態が一致して、交配能力があり、ほかの集団と交配しない(生殖的に隔離されている)もの」と定義されます。

しかし、古生物の場合は相手が化石ですから、交配能力の有無を観察することができません。ですから、おもに形態的な類似や相違に注目して、種を特定していくのが一般的です。

現在の分類学の考えかたに、3ドメイン説というものがあります。

それによれば、真核生物ドメイン・古細菌(こさいきん)ドメイン・真正細菌(しんせいさいきん)ドメインに区分されます。これは遺伝子の塩基配列(えんきはいれつ)に基づいて分けられています。動物界や植物界などに所属する生物は、真核生物ドメインに含まれます。

さらに、詳しく見てみると分類階級は大きなものから界(かい)、門(もん)、綱(こう)、目(もく)、科(か) 、属(ぞく)、種という区分けのほか, 亜目(あもく)などのようにさらに細分したものが使われます。

化石の場合は保存されている部位の特徴からどのグループに当てはまるかを調べていきます。

古生物学の世界ではすでに絶滅した生物を扱いますが、現存している生物の分類と同様に、どのグループに所属するかを位置づけ、これまでの生命の歴史を明らかにすることを目指しています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』
著者:大橋智之  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
大橋智之(おおはし・ともゆき) 北九州市立自然史・歴史博物館 学芸員。古脊椎動物担当。1976年、福島県生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。日本古生物学会会員。