巨人軍は育成制度をうまく使いこなせているのか?

日本一から10年以上も遠ざかる“球界の盟主”巨人。若手育成を疎かにしてきたツケが低迷の要因と言われているが……実際のところはどうだろうか?

若手育成放棄は過去の話!育成制度導入の旗手に

リーグ優勝奪還どころか、今季はヤクルトにさらなる独走を許した上、CS進出すらできなかった巨人。常勝を宿命づけられた球団だけにこの体たらくは方々からの袋叩きの対象となり、週刊誌を開けば巨人低迷時の定番文句である「若手を育てない」を軸にした批判記事が展開されていた。

だが、冷静になって考えてみると意外とそうでもなかったりする。確かに今季の開幕スタメンの野手の平均年齢29・6歳は首位のヤクルトと比べ2歳以上も高いし、外国人選手やFAやトレードの選手が生え抜き選手よりも多く名を連ねるラインナップを見ると確かに若手を育てる気がないように見えるが、巨人が以前から若手を育てようと熱心に多くの施策を打ってきたのは見逃せない。

その代表的な例が育成選手だろう。今からおよそ20年前、1球団の支配下登録選手枠が70人までとなり、アマチュア野球チーム、特に社会人野球チームの廃部が相次いで、選手たちの裾野の狭まりを危惧したことから育成選手制度が生まれたが、この制度の導入に最も熱心だったのが何を隠そう巨人である。

当時の球団代表である清武英利が強く推したことで実現し、巨人は2005年のドラフト会議で指名して以来、毎年育成選手を指名し続けている唯一の球団で、今季開幕時点での育成選手契約を結んでいる選手は33人とソフトバンクの35人に続く多さを誇る。

さらに二軍と混同して育成選手を管理する球団が多い中で、巨人は育成選手が中心のチーム編成となる三軍制を2016年から導入し、独立リーグや社会人チーム、さらに大学生のチームとも積極的に交流して対外試合を組んでいる。

かつてはロッテの二軍とシリウスという連合チームを結成し、最近ではイースタンリーグに二軍のみの球団が新規参入するのに賛成しているという。

これらの動きを見ると、巨人は若手を育てる気がないどころか、若手を育てる意欲に溢れていることがうかがえる。

出典:『がっつり! プロ野球(32)』