人を好きになりやすいシチュエーション

社会心理学の実験の中で、最も有名なもののひとつにつり橋実験があります。まず、同じ川にかかるつり橋と木製の橋の上で、18歳から35歳の男性被験者に対し、男性と女性のインタビュアーが質問を投げかけます。そして、「研究の詳細に興味があれば連絡ください」と言って、電話番号を渡すのです。その電話番号を受け取るか、そしてその後、電話での連絡が来るかどうかを調べたものです。

実験の結果は興味深いものでした。電話番号を受け取った人数は、どちらの橋でもほとんど差は無いのに対し、電話をかけてきた人数は、つり橋の方が格段に高くなっていたのです。ちなみに、この結果は女性がインタビューした場合に限られ、男性インタビュアーの場合は、大きな差は見られませんでした。つまり、つり橋のような危険な場所にいると、そこで出会った異性に好意を抱いてしまうという結果が出たのです。

これは、情動の2要因理論と言われます。人が何らかの要因によって、心拍数の上昇などの生理的喚起が起きると、その時置かれている状況の中に要因を求めてしまうというのです。つり橋の上で、恐怖心から心臓が高鳴ると、無意識のうちにその原因を考え、その時目の前にいた女性に対して好意を抱いているのではないかと錯覚してしまうというわけです。

また、人は不安な時に、他人と一緒にいたいという、親和欲求が増加するとも言われています。そのため、異性とふたりでお化け屋敷に行ったり、絶叫系の乗り物に乗ったりという行動は、仲を深めるためにも有効な手段といえるでしょう。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 監修:亀田達也

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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