ヒトの体は、約37兆個の細胞からできているといわれています。精子と卵子が受精(じゅせい)してできたたった1つの「細胞(受精卵)(じゅせいらん)」が2つになり、3つになり、細胞分裂をくり返して分化し、脳や心臓、皮膚や爪など、役割の異なるさまざまな臓器や組織をつくり、大切な機能を営んでいます。細胞は200〜300種類もあり、その1つひとつが呼吸をし、栄養素を取り入れて活動しています。ヒトの細胞は顕微鏡でしか見ることのできない大きさで、直径は15〜30マイクロメートル。私たちが生きていられるのは、約37兆個の細胞が活動し、さまざまな器官がきちんと役割を果たしているからなのです。
がんができるのは細胞分裂のエラーが原因体をつくる細胞は古くなると分裂し、新しい細胞と入れ替わっています。こうして細胞分裂をくり返すことで私たちの体は健康でいられるのです。しかし、細胞分裂ができる回数には限界があるといわれ、ヒトの細胞の場合、40〜60回といわれています。時間に換算すると120〜130年くらいですが、多くの人はそこまで生き続けることはできません。それは、細胞が分裂して新しい細胞をつくるとき、エラーが起こることがあるためです。日本人の死因のトップを占める「がん」を引き起こすのもエラーが原因で、年を取るごとにエラーの頻度が高くなります。体内に不具合のある細胞が増えると病気にかかるなどして、やがて死を迎えます。私たちに寿命があるのは細胞が永遠ではないからなのです。
細胞の構造といろいろなはたらき 細胞の基本構造(断面図)核・・・体の設計図となる染色体が収まっている
小胞体・・・リボソームがつくったタンパク質を濃縮・貯蔵する
ミトコンドリア・・・呼吸およびエネルギー生成を行なう
中心小体・・・細胞分裂のとき、中心的な役割を果たす
リボソーム・・・体内でさまざまな役割を果たすタンパク質をつくる微粒子
ゴルジ装置・・・細胞内の分泌物を合成したり、老廃物を一時的に備えたりする
リソソーム・・・細胞内の不要な物質を分解する
神経細胞・・・神経を構成する細胞。多くの突起を持ち、ほかの細胞と連結する
赤血球・・・血液中にあり、酸素および二酸化炭素を運搬する
上皮細胞・・・皮膚や胃腸などの表面を覆う
筋細胞・・・筋肉を構成する細長い細胞。収縮することができる
骨細胞・・・たくさんの長い足を持ち、隣の骨細胞としっかりからみ合う
図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。
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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの? 空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む いくつもの器官を通って脳に辿り着く耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
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