まずは形を気にせずに描きたいものを描いてみる

読者が好きなキャラクターは、憧れだけではなく、特異点や短所をもった、自分が共感できる存在です。

ラフネームをつくってみよう

完成度の高いマンガが、いきなり何の努力もなしに完成することはほぼありません。頭のなかの構想を一番いい形で出力するための設計図が必要となり、その設計図こそが「ネーム」になります。

考えたストーリーを想定したページ数にまとめたり、いきなりコマ割りをしたりするのは簡単ではありません。頭のなかのイメージとはどうしてもつくっている最中に離れてきてしまうものです。また、想定したコマが今の画力では描き切れない、状況整理していたら抜けていた情報があったなど、想定外のトラブルが発生します。

そのため、ネームも一度で完成形にしようと考えず、ネームのさらに前段階である、形を気にせず自由に描いてみる「ラフネーム」からつくってみましょう。

ページ数やコマ割りなど、一切制限をかけず、最初に考えた箱書きやプロットを基に、作品をどう展開させるのかを、好き勝手に描いてみるのです。

ラフネームは自分しか見ないもの。細部の書き込みは一切省略し、キャラクターもマルにチョンで十分です。ただし、読者が読むスピードに合わせてください。

アクションが展開される場面やギャグシーンなど、本筋から離れたシーンは、コマだけ確保して省略して進めます。セリフも決まっていなければ、あとで考えればいいのです。つくったラフネームを基に、これからどのようにコマ割りで見せるか。構成で見せるかを考えていきます。

決まっていないセリフは後回し。 細かいことも後回し。 読者の読むスピードに合わせてラフネームを描こう。 アクションやギャグシーンはコマだけ確保しておく。 まず描きたいシーンを描いてみる。 ワク線はフリーハンド。絵もラフなものでOK。

ラフネームづくりは、自分で作品の全体像を把握するための作業です。ページ数や構成のバランスを考えながら、コマを削ったり、追加したりすることを前提に進めていきます。これにより、ネームを書きはじめてから重大なミスに気がつく大事故を可能な限り減らすことができるのです。

ラフネームは… 作品の全体像を把握するために必要。 あとから足したり、引いたりする。 ラフスケッチをつくる感じでページ数やセリフも考えなくてOK。

【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ