戦力外からの他球団移籍は一握り

内川、福留、能見のように一時代を築いた選手達は、確かな実績の裏付けがある。そのため条件にこだわらなければ他球団で現役を続けられる場合が多い。だが、そこまでの実績を伴わない戦力外選手達の前途は多難だ。現在までに宮台康平、小澤怜史、近藤弘樹(いずれもヤクルト)、チェン・ウェイン、鈴木翔太、加治屋蓮(いずれも阪神)、風張蓮(DeNA)、田城飛翔(オリックス)などが現役続行の切符をつかんだ一方で、それ以外の戦力外選手達は新たな道を模索したり、今季の動きが未定である。

戦力外になる対象年齢は28.2歳

去年、NPBが行った引退または戦力外となった日本人選手を対象とした進路調査によると、「戦力外になる対象年齢の低下」が浮き彫りになった。29歳以下で戦力外になったのは全体の61%に上り、平均年齢は28.2歳に低下しているという。働き盛りの時期に廃業を余儀なくされるほどプロ野球の世界は厳しい。また、この調査では野球関係以外の進路に進む多様化が指摘されており、プロ野球選手が野球人としてだけで人生を終える時代ではなくなっているのかもしれない。

プロ野球戦力外からキックボクシング「RISE」へ転身した相内誠

それを象徴しているのが西武・相内誠の格闘家転身だ。高校時代、「房総のダルビッシュ」の異名をとった相内は、15年に2軍で最多勝に輝くなど、先発として将来のライオンズを担う若手として期待されていた。だが、プロ1年目のシーズン前に仮運転免許違反で摘発、未成年で飲酒・喫煙で謹慎、さらにはコロナの自粛期間中に速度超過など野球以外の話題を振りまき、戦力外通告を受けている。

「問題児」として球界を去った感のある相内が選んだのがキックボクシング「RISE」のリング。相内は進路を迷うほどキックの世界にのめり込んだ時期があり、得意技の膝蹴りを引っさげて特訓中だ。2月のデビュー戦を控えた相内は、SNS上で「人殴って勝ったら褒められるんでしょ? 普通に考えて魅力ヤバくない?w」と〝らしい〟発言をするなど、格闘家ならではのリップサービスは問題なし。

元プロ野球選手の格闘家デビューは過去にもあった

なお、プロ復帰を目指してトライアウトを受けた新庄剛志は、格闘技イベントの「RIZIN」や大仁田厚からプロレス参戦をラブコールされるなど引く手あまただ。かつては古木克明(横浜→オリックス)や立川隆史(ロッテ→阪神)などが格闘家デビューを果たしており、今もなお「元プロ野球選手」の肩書きが野球以外の進路でも大きな武器になることがうかがい知れる。

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