原価率4割以上でも赤字にならない

一般に飲食店の原価率は30%以下が定石です。そうしないと、人件費、家賃、水道光熱費などが売上を超え赤字になります。しかし、ファストフードの代名詞のハンバーガー、牛丼、回転寿司では、看板メニューの原価率が軒並み4割を超えています。

たとえば、ハンバーガーは、バンズ(パン)10円、肉18円、野菜10円、ソース7円で、合計45円となり、100円(税抜93円)で提供すると推定原価率は48%です。牛丼は、牛肉80円、タマネギ6円、たれ30円、御飯40円の計156円となり、並盛380円(税抜352円)で提供すると推定原価率は44%です。回転寿司の場合はもっと高く、ウニが85円、マグロ75円、いくら70円、ハマチ64円、サーモン64円、ヤリイカ54円で、これらを100円で提供すると、原価率はそのままの数字です。

100円の回転寿司店が少なくなっている理由がわかるでしょう。原価率が高いと営業利益率は低空飛行となるのです。牛丼チェーン店は軒並み1%台がやっとです。ところが、ハンバーガーチェーン店や回転寿司店は5%を超えています。この違いはどこにあるのでしょうか。

実はサイドメニューが充実しているかどうかの差なのです。

牛丼店はサイドメニューにメリハリがないため利益がギリギリです。牛丼店では味噌汁15%、豚汁20%、しじみ汁20%、生卵20%程度です。一方、ハンバーガー店のサイドメニューの原価率はドリンク2〜5%、ポテト10〜12%、ナゲット9%です。

回転寿司店でも、ツナマヨ10%、かっぱ巻き10%、たまご20%、エビ25%です。原価率の低い商品との組み合わせが多いほど、粗利ミックス戦略で利益が多く生まれるわけです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』
監修:神樹兵輔

日本の社会をとりまく環境は日々変化を続け、日本経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を見ることにもなる。行動経済学から、原価のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済の基本を、身近なテーマとともに図とイラストでわかるやすく解説、読み解く一冊。