どうして参拝の前に手と口を清めるの?

第9項で述べたように、神社の境内の入り口付近に手水舎が設置されています。お寺でも見かけますが、これは神社からお寺に伝わったものです。神社をお参りする際には、まず手水舎で手と口を清めるのが基本的な作法の1つです。なぜ手と口を清めるかというと、日本の神様は穢れを嫌われるからです。どの宗教の神様も清浄を好まれるものでしょうが、日本の神様はとりわけ穢れを忌い み嫌います*。

それゆえ、本来は海水や川などに全身を浸して身を清める禊をしてから参拝をするものでした。今も島全体が宗像大社の沖津宮の境内となっている沖ノ島(福岡県宗像市)は、上陸する前に浜で禊をしなければなりません(ただし、一般の人は原則上陸禁止)。しかし、禊をするには裸にならなければなりませんし、多くの人が同時に行なうのも難しいので、手と口を清めることでこれに代えるようになったのです。ちなみに、初めて禊を行なったのは、日本の国土を生んだイザナギ(伊邪那岐命)であったとされます。

イザナギはともに国生み・神生みを行なった妃のイザナミ(伊邪那美命)を生き返らせようと黄泉の国(死者の国)へ迎えに行きますが、すでに黄泉の国の住人となってしまったイザナミの真の姿を見て驚き、地上へと逃げ帰ります。そして、黄泉の国で穢れた体を清めるために海で禊をしたのです。『古事記』によれば、この時に左の目からアマテラス、右の目からツクヨミ(月読命)、鼻からスサノオ(須佐之男命)が生まれたといいます。

画像

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神社の話』
著: 渋谷申博

「神社には、どんな神様がお祀りされている?」「鳥居や狛はどんな意味がある?」「犬や猫の神社があるってホント?」 素朴な疑問で神社のディープな魅力がわかる! 知っておきたい神社のキホンから、イザナギ、イザナミ、アマテス、スサノオ、オオクニヌシなど、神社に祀られている祭神のこと、お祭りと神社の関係まで、神社と神様まつわる知識をイラスト・図とともにやさしく解説ました。金運や縁結び、長寿など、さまざまな願いをかなえる最強の開運神社も紹介。超絶景の神社もわかります。神社のキホンを知れば、神社参拝が楽しくなる! 神社巡りのお供に最適。ユルくてかわいいイラストもお楽しみください。