大人になってからゴルフを始めると上達できない理由

では一体なぜ正しい当て方ができないか、理由はいろいろあります。

1つはベースになる知識の欠如でしょう。大人になってゴルフを始めるとき、なかなか自然には覚えられませんから知識が必要なんですね。

しかし、ほとんどの場合「当て方」に関する知識がないので、とりあえず当てることを最優先させますが、これだと厳しいんです。まず当たらないので、コックを早めにほどいてクラブヘッドをボールにぶつけにいきます。大人になってから始めた人が、もれなくアーリーリリースになってしまうのはこのためなんですね。

一方、幼少期からやると、リリースを遅らせて当てる技術を習得することができます。なぜかというと上達のプロセスが振ることから始まるからです。クラブを振り回してたまに上手く当たると「わっ!当たった!」と成功体験を喜ぶのが子供なんですね。「あれをもう一度出すぞ!」と失敗を繰り返しながら成功を求めていきます。しかし大人はそうはいきません。上手く当たらないと「ヤバい、こんなミスが出ないようにしよう」と対処療法を始めます。それが当てにいく、という行為なんですね。

そもそも、ゴルフの持つ根本的な問題として「難しい」というのがありますから、最初は絶対に当たらないんですよ。クラブフェースの面積が小さ過ぎますし、ボールも小さいので、そもそも当たるわけがないんです。また、クラブには何も考えずに振れば、フェースが開くというオープン特性もありますから、まともに当たらない道具だからこそ当てにいく、というのは当然の行為です。

はっきり言って、正解と言われているスイングのほうが不自然なんですよ。なぜなら、インパクト直前まで見かけ上、クラブフェースは開いていますし、フェースがスクエアになるのも一瞬です。インサイドアタックと適正なリリースがあってボールはつかまるのですが、これは自然に到達するような動作ではありません。インストラクターやそれに準ずるような人に理屈を教わって上達していくか、失敗を無視して一撃を求めていくか、その2つのプロセスぐらいしか思い当たりません。いずれにせよ、30代、40代になってゴルフをやるような場合、ミスを軽減するという方向にいくのはまず間違いないでしょう。

なぜなら大人になって仕事で稼いでいくのってそっちじゃないですか。ミスを減らすという思考を持たないと会社の中で生き残れませんよね。社会人としての年月を重ねた人であればあるほど、子供のときと思考回路が逆になるのは仕方がないことです。

【書誌情報】
『「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく』
著者:阿河徹

「9時・4時スイング」とは、時計の9時の位置から4時の位置まで動くスイングのこと。この範囲のクラブと体の動きが、ゴルフ上達のポイントであると著者は考えている。本書は、そのスイングをする際の体の動き、クラブの動きを写真を数多く使い細部にいたるまでわかりやすく解説。加えて、スイング中の体の動きが身につく練習ドリルも紹介している。「9時・4時スイング」でゴルフは劇的に変わる!