厚労省によれば、8月3日17時現在の新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」のダウンロード数は1099万件に達し、陽性者の登録件数は107件になりました。当初、安倍首相の発言により「国民の6割がダウンロードしなければ意味がない」などの論調がありましたが、担当する内閣副大臣が明確に否定。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、7月31日のインタビューの模様を伝え、アプリの有効性やプライバシーは守られる点などを解説しています。

平内閣府副大臣が接触確認アプリ「COCOA」解説。「中国のようになるのは国民としてまっぴら御免」

7月31日17時現在で996万ダウンロードまで達した接触確認アプリ「COCOA(ココア)」。すでに陽性登録者も92件となり、先日には「アプリで濃厚接触者と出たから病院に行った」という人も出始めた。ただアプリの提供当初は「全国民の6割が利用しなければ意味がない」なんて論調があり、普及の足を引っ張った。実際、6割という数字が一人歩きしていたりする。果たして、6割という数字はどこから出てきたのか。

内閣府の「新型コロナウイルス感染症対策テックチーム」をリードする平将明内閣府副大臣は「6割という数字は安倍総理が発言して、僕もビックリしてしまった。6割というのは国の目標ではなく、そういう研究もあるという紹介だった。確かに僕のTwitterアカウントにも『みんなが入れないと意味がない』という声が寄せられている。しかし、日本大学からシミュレーションが出ているが、何割いかないと効果がないというものではなく、一人一人が入れることで少しずつ効果が積み上がるものだと思っている。家族や友人、同僚など大切な人を守るためにも、皆さんに導入して欲しい」と語る。

接触確認アプリはすでに様々な国で導入されている。ただ、電話番号や位置情報、氏名などを取得するなど、個人情報を取得するところがほとんどだ。その点、日本ではそうした個人情報を一切取得しないなど徹底的にプライバシーに配慮している。陽性者のデータ管理においても、中央サーバー型ではなく、GoogleとAppleのAPIを用いた分散型となっている。

平副大臣は「(個人情報の取り扱いについては)中国が一番マッチョで日本とドイツが一番、プライバシーに配慮している。我々のアプリはインストールもオプトインだし、陽性登録もオプトイン。インストールであれこれフォームを入力するものは途中で断念されてしまう。そのあたりのハードルも低くした。(中国のやり方ならビッグデータが蓄積されるかもしれないが)コロナがあったからといって中国のような社会になるのは、国民の一人としてまっぴらごめん。私は政府の一員で事務方の責任者だが、このような仕組みでやりたいと決めた」と語る。

COCOAは日本人を考慮して相当、プライバシーに配慮したかたちとなったのだが、実際、ユーザーの反応はどうだったのだろうか。「ダウンロードが少ないという声もあるが、思ったよりは多いのではないか。みなさん、意識が高い。日々の感染者の数への関心もあり、アプリが正しく理解されれば、誤解は払拭されるのではないか。私のTwitterアカウントにも『監視社会はごめんだ』『何となく怖い』と言った声がたくさん寄せられているが、できるだけ丁寧にお返事するようにしている。

なぜ台湾でできること、アメリカでできることが日本でできないかという指摘がある。それは台湾の人はみんなICチップ入りの保険証を持っている。しかし、日本は何となく怖いからマイナンバーカードを持たない。アメリカ政府は銀行口座情報を把握しているが、日本政府はそんな情報を持っていない。新型コロナ影響で世界がどうなっているか、知ったかたも多いでしょう。これを機会に意識が変わってくるのではないか」(平副大臣)。

新型コロナの感染拡大防止と経済活動を両立させる上で、COCOAの存在は大きい。6割までの普及を目指す必要はなく「自分の大切な人は必ずインストールしている」という状況に早くなって欲しいと思う。

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