新型コロナウイルス感染症の流行により、大きな変化を強いられたビジネスの世界。しかしそんな状況を逆手に取り、利益を上げつつある企業も登場しているようです。今回の無料メルマガ『億の近道』ではファイナンシャル・プランナーの遠藤功二さんが、業種も規模も異なる4社のデジタルを活用した取り組みを詳しく紹介しています。

デジタル集客が決め手

コロナ禍で余分な費用がかからず、それが利益を生んだ事例が増加しつつある。

これまでの営業スタイルは基本的に相手先に営業マンが出向いてビジネスを成就させるというのが基本だが、もはや営業や商談自体がデジタル化されて即断即決の時代となって効率化が図られようとしていることが実感される時代となってきた。

熊本の住宅メーカーLibWork(1431)の受注好調の背景はデジタル化による集客が効を奏したことにある。同社は過去20年も前からWEBによる集客を推進し、最近ではYouTube活用による展示ハウス案内などで住宅を求めるクライアントの心をつかんで離さない。

住宅モデルハウスの映像が3Dで見ることができるなどかなり先進的で面白い。この映像に問い合わせが相次いでいるらしい。皆さんも一度ご覧頂きたい。住宅を購入する際に、事前にこうした映像で確認できればトラブルや不満もなくなるだろう。

若い営業スタッフの愛嬌のある説明が受けているのか登録者数が5,000名程度なのに閲覧数は時に10万回を超えている。広告費用を払うどころか逆に他社の広告が流れることで収入を得ているというから驚きだ。

これに続くのがガーデニングのタカショー(7590)。コロナ禍でステイホームとなった多くの市民がホームセンターなどに足を運びガーデニング人気を呼ぶ中で、WEBカタログが効果を発揮しているらしい。こちらも3D化で庭造りを提案しているとのこと。

グローバルなビジネス展開をする音楽機器のズーム(6694)もコロナ禍での営業方法を連結子会社化した米国販社のやり方にならってオンライン型に変化させ成果を上げつつある。同社のクライアントは多くはクリエーター。毎期活発に投入する新製品を彼らに訴求して販売していくことをビジネスの基本。同社のWEB上にはそうしたデジタル映像が様々に散りばめられており、コロナ禍の厳しい経営環境を乗り越える力となっている。

そうした努力は宝飾品業界にも見出せる。

甲府に本社を置き世界を相手にビジネスを展開するクロスフォー(7810)だ。残念ながら前期の業績はコロナ禍で大幅な赤字に転落。最悪な決算を余儀なくされたが、復活に向けた取り組みが足下では繰り広げられており、今期黒字化に向けたスタッフ一同一丸となった取り組みに大いに期待される。特にコロナ禍で同社はデジタルトランスフォーメーション宣言を社内での合言葉として映像を用いた商品説明を通じて新作紹介などを行い、営業のスピードアップを図ろうとしている。こちらも若手スタッフによるYouTube映像を用いた製品説明を開始。まだまだ登録数、閲覧数が少ないもののチャレンジングな取り組みによる成果に期待したい。

ただ、宝飾品は身に着けてもらわないと動機づけできないのも事実。情報源としての映像情報の閲覧数増と試着する段階での小売り店スタッフとの連携が不可欠だと思われる。今後のデジタル化の更なる創意工夫に期待したい。

同社の場合、国内の小売店などのお客さんとその先の消費者へのメーカーとしての訴求が必要となるが、世界市場に向けてもスワロフスキーなどの世界ブランド企業とのコミュニケーションが欠かせない。映像イメージも世界を意識した英文化、ファッション体裁などの工夫が求められる。改善すべき点は山ほどあるが、社長をはじめ、スタッフの海外出張がままならない事態となった今、コストのかからない効率的なシステム構築を最優先すべきだろうと思われる。コロナ禍で株価低迷中の同社だが、四半期業績の推移を確認しながら大いに復活を期待したい。

 

遠藤 功二氏 プロフィール

日本FP協会認定CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、MBA(経営学修士)。大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。証券会社と外資系銀行で延べ1000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

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