9月13日、auのサブブランドであるpovoの新料金プランを発表したKDDI。基本料金をゼロ円とし、ユーザーが「トッピング」としてデータ通信量やサービスをカスタマイズできるというインパクト大のプラン「povo2.0」を打ち出したKDDIの狙いは、どこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』ではケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、同社高橋誠社長の発言を引きつつKDDIが新プランに込めた思いを紹介するとともに、「povo2.0」がユーザーに受け入れられるか否かを考察しています。

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KDDIのpovo基本料ゼロ円は、政府ではなくユーザーに向けた本気プラン

基本料金をゼロ円とし、トッピングを10種類にまで拡大したKDDIのpovo2.0。

実は先週、「来週、どうやらKDDIは新料金プランを発表するらしい。楽天モバイルに対抗し、数百円のプランをいくつも出すようだ」というリーク情報が寄せられたので「もしやpovoかも。基本料金を3GB990円にして、足りない容量をトッピングで補うのか」と思っていたら、まさか基本料金をゼロ円にしてくるとは思わなかった。

昨年12月の「さよなら、au」炎上から9ヶ月。povo1.0が出たときも世間的には好意的に受け止められたが、今回はそれ以上にインパクトを与えたのではないか。

KDDIは昨年10月にアジアを中心に若者向けMVNOで定評のあったCircles Asia社と提携。本来、デジタルネイティブに向けたMVNOとしてスロースタートを切るつもりだったようだが、菅政権の誕生、さらに値下げ圧力に素直に応じたNTTドコモ「ahamo」によって算段が狂い、1月に急遽、povoを発表することになった。

いまから振り返れば、povo1.0は付け焼き刃的な、その場しのぎのプランのように思えるし、povo2.0こそ、KDDIが目指していた世界観のような気がする。

そのあたりを率直に高橋誠社長にぶつけてみたところ

「povo1.0は、決して付け焼刃的に作ったわけではない。一生懸命に考えてオプションではなくトッピングというかたちで、ユーザーとの接し方を、見つめ直した結果だ。2.0は、それが進化したかたちとして、お取りいただきたいと思います」

ということだった。

もうひとつ、気になるが、菅政権の退陣だ。この1年、値下げ圧力があり、KDDIとしても政府の意向に翻弄されてきた。この9月で菅政権が退陣し、新たな政権が誕生するが、「菅政権」という言葉を出さずに、あえて「この1年を振り返りつつ、今後について」聞いてみた。

高橋社長は

「今年は政府からの要請もあって本当にいろんなことがあった。値下げ自体はユーザーの為になるのは当然だが、経営としては、減益のインパクトもある。これは新規事業やコスト削減によって、増収を目指していく。

一方、楽天さんが参入してきた時からずっと思っているが、事業者間の競争こそが、ユーザーへの良いサービスを提供することに繋がるというふうに考えいて、ローミングにも応じてきた。

我々としても、ユーザー目線を失いがちであったのかなと思い、様々なご指摘がお客様第一に考える原点を見つめ直す良い機会を与えてもらったかなと考えている。

povo2.0は、ご契約いただいてから、ユーザーと本当に近く接していろんな提案をしていくというプラン。

原点を忘れないようにしていこうと思う。このあたりはポジティブに考えながら、対応して行きたい」

と語った。

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オプションというとキャリアやショップからの「押しつけ」のように捉えられがちだが、そこをあえて「トッピング」という名称にこだわり、ユーザーが自発的に選ぶスタイルにしたのがpovoだ。

果たして、このスタイルがどれくらい支持されるのか。この件で日本テレビ「スッキリ」に出演したときはコメンテーター陣からも好評だったので、案外、幅広い人に受け入れられそうな気がしている。

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image by: Koshiro K / Shutterstock.com

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