東北では就職したい企業ナンバーワンである「アイリスオーヤマ」。その躍進と人気の秘密はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』では、Webメディア『ECのミカタ』元編集長で株式会社「team145」代表取締役石郷学さんが、アイリスオーヤマの通販について担当者に取材、その戦略を分析しています。

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アイリスオーヤマ東北の雄である所以 通販の躍進 ・メーカーの立場と通販をうまく使い分け

アイリスオーヤマは東北の雄。実は東北では就職したい企業ナンバーワンだったりします。名実ともに躍進していて、業務が全体で統率が取れているなあと実感させられます。

取材のきっかけは先日「au PAY マーケット」が開催する「ベストショップアワード」総合賞でトップ10に「アイリスプラザau PAY マーケット店」と「暮らし健康ネット館」の2つ入っていたから。それで話を聞いたら納得だったというわけです。

答えてくれたのは、アイリスプラザの三浦さんと暮らし健康ネット館の吹越さんです。アイリスオーヤマというと、とかく家電から日用品まで幅広く扱うメーカーとして、存在感を示しています。

でもコロナ禍以降においては着実に通販でもその存在感を見せているんです。2つの店舗の違いですが、うまく棲み分けしているんですよね。

まず「アイリスプラザ」は「アイリスオーヤマ」というブランド名を活かした公式ショップとしての役割を担っています。

ここではCMに起用している吉沢亮さんなどの写真を全面に出して、販売上での戦略と連動させています。つまりメーカーとしての信用がお店のリピーターに繋がっていくわけです。

一方で、「暮らし健康ネット館」においては仕入れ商品も扱い、NBを取り入れながら、こちらは幅の広さを打ち出しています。

日用品などを中心に価格訴求で勝負し、日常的に買い求めやすいスタイルです。暮らしに即したものを複数、買ってもらうことを意図し、最近のヒット商品としてマスクなどを挙げていました。

とはいえ、僕個人として「値頃感」を打ち出すやり方は、他でも扱っている商品でもあるしそこで価格競争をするのは、疲弊するのではないでしょうかって話したんです。

それを踏まえて、リピーターを念頭に置かれた戦略ですよね?と。するとまさにその通りで、「次回、購入した時に利用できる」クーポンの発行などを行って、自然と次回の購入に繋がるようにしています。

・新規獲得と継続のバランス

それでは根本的に、新規獲得をどう行っているかというと「5の付く日」など月二回ほど用意して、そこで獲得しているようで、当然安くしています。

でもこれは売上のヤマを作るための施策であり、漫然と同価格で商品を売り続けても、お客様も買い時が見えづらいですからね。

お店も同じく、新規獲得の勝負時が見えづらいので、「お得な日」で売上のヤマを作れば、そこで得られた新規顧客を「いかに継続するか」という「KPI」の指標が出てきます。まさにそこで先ほどの継続施策に繋げて、効果検証を繰り返しているんですよね。

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・バックヤードの努力が継続を促進

その上で彼らの強さはそこだけではないんです。ブローのように効いてくるのがバックヤード側の努力です。ネットショップのレビューを見ればわかる通り、大抵の満足度の高さは「届いたその瞬間」に確定します。

早く丁寧に届けば「いい店だ!」という評価に繋がりやすいので、そこを強化するわけですが、活きてくるのが全国8ヶ所の出荷拠点です。

お客様にとって一番近い拠点から出荷できる体制を作り、納期の短縮に繋げます。まして「暮らし健康ネット館」は日用品だから特にそのニーズは特に高いのでマッチします。

しかもその拠点はau PAY マーケットに限らず楽天市場、Yahoo!ショッピングなど同じ物流拠点から出荷させることで共通化しています。

商品をまとめれば、まとまった数量、発注が出せて、同じ場所に納品できるから仕入れ単価が安くなりますよね。

・モールごとに適量まとめて、多くを発注

何より僕がなるほどなと思ったのは「お得な日」をどこかのモールごとに開催しているわけではない事なのです。これは賢いです。

「お得な日」を分散させれば出荷のヤマも分散してしまうので物流拠点の人員も無駄に増やしてしまいます。受注が殺到するヤマとなる日にちを共通化させて、そのヤマのタイミングだけ出荷人員を強化すれば生産性が高くなりますよね。

特にau PAY マーケット然りですが彼ら自身がPontaポイントをフックにして、休眠顧客の発掘や継続利用を促す取り組みなどをしているんですよね。モール自体が最近、会員組織化ができているから、継続施策をいかしやすいんです。だから2店舗が上記の施策と重ね合わせて、実行すれば、結果が出やすいというわけです。

受注から出荷、物流などの付加価値も活かして継続に繋げて、連携もバッチリです。穴がないという印象を受けたのは、現場がちゃんとボトルネックを把握して、全体感を見据えて、個々の役割を最大化しているからだと思います。アイリスオーヤマが東北の雄である理由が見えた気がします。

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