安定した美味しさでちゃんぽんの本場・長崎県民からも支持を得ているリンガーハットが、新たな「販売方」を開拓し話題となっています。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』ではMBAホルダーの理央 周さんが、同社が導入し好調な売り上げを記録している、自動販売機による冷凍食品販売の成功の秘訣を分析。売り物を変えることなく顧客に満足してもらえる方法について、MBAならではの目線で考察しています。

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売り物を変えず、付加価値をつけて売り伸ばす〜長崎ちゃんぽんリンガーハットの事例

長崎ちゃんぽんのリンガーハットが、自動販売機を使った“夜”営業に力を入れています。

自動販売機で売られているのは、リンガーハットの看板商品の「冷凍食品」が6種類。

リンガーハットのホームページによると、メインの「長崎ちゃんぽん」や皿うどんは450円、他には餃子やチャーハンもある、ということです。

家に持ち帰って、水を沸騰させ、個別包装の麺と具、スープを入れれば、約2分で「お店と同じ味が食べられる」ということで人気が出てきたそうです。

IT mediaに載っている、リンガーハットの方のインタビューでは、「売れ筋上位は、ちゃんぽんが3割、皿うどんが2割、ギョーザが2割だ」とのこと。

なによりも、商品が売れる時間帯が意外で、店舗が営業している時間中に、全体の8割が売れるそうです。

そして残り2割は閉店後に売れているとのこと。

記事によると、店内で食事をしたお客が帰る際に、わざわざ自販機で買う様子が、頻繁に確認されているそうです。

一方で、残りの2割の利用者は、わざわざ店舗の敷地内まで、深夜や早朝に買いに来ているとのことなので、「いつでも購入できるという、“利便性”が支持されているのではないか」と分析しています。

リンガーハットでは、元々冷食を店内で売っていたそうですが、今では自販機の売り上げの方が上回っているそうです。

やはり、リンガーハットや松屋のファンは、そのお店の物を「家でも」食べたいと思うでしょう。

これが本来ブランドが目指すところですよね。

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コロナ禍の緊急事態宣言などで、営業時間を短くせざるをえず、時短で営業していた時期の売り上げが、落ちる飲食店も多くありました。

そこに目をつけたのが、自販機メーカーの、サンデン・リテールシステムという会社でした。

日経新聞によると外出が減って、飲料自販機の売上高が減ってしまった中、巣ごもり需要で伸びた冷凍食品に注目したそうです。

この自販機の名称は「ど冷えもん」だそうです。「24時間無人で売れる」とアピールすると、「冷食メーカーより時短で夜に営業できない、個人飲食店からの声かけの方が早かった」とのことでした。

確かに、このような店は増えているようで、東京新宿区、荒木町の私のオフィスの近くにも、美味しい豚骨ラーメンの店があるのですが、半年くらい前からやはり自販機で、冷凍のお店のラーメンと餃子を売っています。

個人店でも、美味しくて行列ができるお店は多いですよね。

マーケティングにおいて、売り物そのものを変えるのは、簡単なことではありません。

ただ、売り先に付加価値をつけることはできます。

この場合は、売り物の長崎ちゃんぽんに、「いつでも持って帰り、リンガーハットの味を家でも楽しめる」という、体験価値を付加しました。

売れなくなってくると、広告費を増やしたり、あたらしいSNSやITを取り入れたりと、手法に頼りがちです。

しかし、この自販機での販売のように、付加価値をつけて売り方を変えれば、売り物を大きく変えず、顧客にも満足してもらえることができます。

今回は飲食店の事例ですが、他の業界、業種でも使える、示唆に飛んだ事例です。

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image by: yu_photo / Shutterstock.com

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