「不況に慣れてしまった日本人の節約傾向」が不景気に見せているだけで、実際のところはようやく上向き始めたと言われる日本経済。この傾向は少なくとも2020年の東京オリンピックまでは続くと見られています。しかし、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で経済にも詳しい北野幸伯さんは、2019年の10月に安倍総理が本当に消費税を上げれば、日本は瞬く間に「不景気スパイラル」に陥ると警鐘を鳴らしています。

消費税は10%になる?

「消費税引き上げ」について、安倍総理は先日、こんな発言をされています。

首相、10%への消費増税「予定通り」 19年10月に

朝日新聞DIGITAL 8/5(土)19:31配信

 

安倍晋三首相は5日、読売テレビの番組で、2019年10月の消費税率10%への引き上げについて、「予定通り行っていく考えだ」と述べた。「2020年度のPB(基礎的財政収支)黒字化と同時に累積債務の対GDP比を抑えていく。この二つの目標に向かって、しっかり経済運営を行っていきたい」とし、財政再建と経済成長の両方をめざす考えを強調した。

嗚呼。2019年10月、消費税を10%にするそうです。

思い出してみましょう。消費税は2014年4月、5%から8%に引き上げられました。皆さん、2013年、アベノミクスへの期待、ものすごかったですね。しかし、消費税引き上げで、はっきり失速した(2013年のGDP成長率は2%、消費税が引き上げられた14年は、0.34%)。

同年11月、総理は、「消費税再引き上げ延期」を決断します。それで、8%から10%への引き上げは、「17年4月」まで延期された。2016年5月、総理は、引き上げをさらに2年半延期すると発表した。それで、消費税が10%になるのは、「19年10月」と決まった。安倍総理は今回、「19年10月には予定どおり行っていく」と宣言されました。

日本経済の見通し

消費税を引き上げると、当たり前ですが消費が減ります。消費が減れば、作っても売れないので、生産も減ります。売上と利益が減るので、企業も個人も所得が減る。ところが、これで流れは止まりません。

所得が減れば、手持ちの金が減るので、さらに消費を減らすでしょう? そうすると、さらに生産も減り、所得も減る。こうして、

消費減→生産減→所得減→さらに消費減→さらに生産減→さらに所得減→(以下同じプロセスの繰り返し)

という、「不景気スパイラル」が始まってしまいます。だから、消費税は引き上げない方がいい(よほど好景気でないかぎり)。安倍総理には、「消費税引き上げはやめる!」と宣言していただきたい。それで、支持率も回復することでしょう。

しかし、予定通り19年10月に引き上げられたらどうなるのでしょう? 皆さんご存知のように、現在日本の景気は悪くありません。特に雇用状況の改善が著しい。有効求人倍率は6月、1.51。これは、43年ぶりの高水準だそうです。さらに、「東京オリンピックミニバブル」もある。

というわけで、世界的大事件が起こらなければ、日本の景気はしばらくよさそうです。しかし19年10月に、消費税が引き上げられる。そして、2020年夏、東京オリンピックバブルが終わる。2020年後半から暗雲ということですね。

そうはいっても、ここ3年間で何が起こるかわかりません。朝鮮半島で戦争が起こるかもしれない。それで、日本も「集団的自衛権行使」で「参戦」になるかもしれない。あるいは、尖閣をめぐって日本と中国の武力衝突になるかもしれない。

しょっちゅう書いていますが、今の世界は1930年代並に変化が激しく、予測が難しくなっています。しかし、一つ言えることは、「孤立しないでいきましょう」ということ。80年前日本は、アメリカ、イギリス、ソ連が支援する中国と戦争をしていました。4大国を敵にして勝てるはずがない。

今回は、同じ過ちを繰り返さないよう、アメリカ、インド、欧州、ロシア、オーストラリア、東南アジアなどとの関係を、さらに強化し続けていきましょう。

image by: 首相官邸

出典元:まぐまぐニュース!