安倍首相の健康不安が囁かれています。一部で吐血報道があって以来、メディアは安倍首相の健康状態を注視。その疑念を払拭するように、安倍首相はスポーツジムを訪れるなどしています。もし、安倍首相が電撃辞任するようなことになった場合、株式市場はどのような動きを見せるのでしょうか? メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』の著者でコンサルタントの今市太郎さんがその見通しを解説していきます。

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体調不良がしきりに囁かれる安倍首相

今年のお盆相場はとにかく休みでもどこにも出かけられない個人投資家が株式市場に大量に参戦し、米株は大きく上昇し、ドル円も上値を追う展開、さらに日経平均も8月のシーズナルサイクルからは外れて大きく上昇する展開となっています。

国内ではGo Toキャンペーンが完全に仇になったのか感染者数は非常に拡大しており、案の定東京のみならず地方に広がりつつあり、安倍政権による人災なのではないかという指摘も上がりはじめています。

お盆の帰省も自己判断にゆだねたわけですから、ここから二週間後ぐらいに劇的に感染者数が増えれば完全にこの政権の責任が問われることになるのは間違いなさそうな状況です。

そんな中、安倍首相は臨時国会開催の野党からの要求に応えることはなく、6日には一部の週刊誌に執務室で吐血といった報道が出たことから、健康不安説が俄かに高まりつつあります。

こうした報道に対して菅官房長官はなんの問題もないと否定しています。しかし、直近ではこのお盆入りにあたる三連休の最終日に六本木のグランドハイアット東京の慈雨に午後3時間も滞在し、運動に勤しんだことになっています。7か月振りとなるジムで、なにかホテル内で極秘に治療を受けているのではないか、といった憶測もかなり飛び交い始めているのです。

吐血が事実かどうかは全く確認はできませんが体調がよろしくなく、高熱を出したことだけはどうやら間違いないようで、連日どこにも行かずに有名レストランで会食している割には健康状態はすこぶるよろしくないようです。

あるのか?安倍首相の電撃辞任

そう言われてみれば9日の長崎平和祈念式典でも広島での原稿と殆どおなじものを棒読みし、その後の記者会見での質問は2問ぽっきり、しかも公開された動画にあらかじめ用意されていた質問とカンペが、まったくもって覇気のないぼんやりした表情とともに映し出されていたことが、スクリーンショットでもろばれ状態となり、事前に用意された原稿を棒読みしていたことが、全国民へ完全に露見する始末で、健康上の問題なのか、総身に知恵がまわりかねるといった雰囲気が強く醸成されるようになっています。

さらに首相はもう満身創痍の状態で、ごく近い将来に電撃辞任して、意中の後継者に政権を譲るのではないかといった穿った見方まで飛び出す始末です。

安倍辞任で相場はどうなるのか気になるところ

すでにアベノミクスは完全に終了していますし、新型コロナでもこの政権は何一つ有効な対策を構築していませんから、安倍首相が辞任しようが行方不明になろうがまったく現実的影響はないものと思われますが、それでも突然辞任することになると株と為替はどういう動きになるのか非常に気になるところです。

そこで一つのベンチマークとなるのが、いまからほぼ13年前にあたる2007年9月の電撃辞任のときに、株価と為替はどう動いたのかということになるわけです。

当時は第一次安倍政権発足からたった1年あまりで退場ということになり、発足時も美しい国造り内閣などという意味不明なスローガンを持ち出していましたので、辞任というヘッドラインが走っても株も為替相場も一体どう反応していいか判らないというかなり微妙な展開になりました。

当時辞任報道が流れた直後は株買い、債券買い、ドル円買いで反応した相場は、その直後に株価が反転下落する展開となりましたが、為替は引き続き気迷いの相場が続くこととなりました。

当時の安倍政権は支持率も低く、首相の交代が政治的な不透明感の払しょく期待もあったのでしょうが、短期間で何人も首相が交代することを嫌気する海外勢の売りも出た模様でした。

アベノミクス終了と長期政権崩壊で株売りか

さて、今回安倍首相が電撃辞任した場合には、果たして13年前の9月と同じように相場が動くことになるのかどうかに注目が集まるところです。

第二次安倍政権以降安倍政権はアベノミクスという名をつけて、日銀による強烈な株買いと円安主導を行ってきましたから、実態は日銀だけの功績とはいえ安倍首相の関与度の高いものというイメージは世界的に十分に醸成されてしまっているのが現実です。

すでに2018年10月には戦後最大かと思われた景気拡大も終焉しており、アベノミクスなどという経済成長はとっくの昔に終了しているわけですが、首相辞任がそれを名実ともに明確にすることになりますし、何の成果もなかったとはいえ、長期政権が終了することで政治の安定化が損なわれると判断する海外勢による売りが嵩む可能性は十分にありそうです。

債券市場はすでに日銀の国債買いあさりで市場としてまともには機能していませんから、とくにJGBが積極的に売られるということにはならないのではないでしょうか。

気になるのは為替の動き

問題は為替で、本来首相が辞任することでその国の法定通貨が買われることはないはず。しかし、日経平均が大幅に下落することになれば、むしろドル円はそちらについて下落する可能性も十分に考えられます。

そうでなくてもドルの信認性が損なわれはじめ、ドル安が一つのトレンドになりかねない状況ですから、ドル円は安倍辞任で上昇するとはとても思えないというのが正直なところです。

現時点ではまだご本人が辞意を表明したわけではありませんから、こうした市場予測はいささか不遜ではありますが、国民の期待も全くなく、支持率も急降下し、コロナ対策も皆無の状況ですから、いつステップダウンをお決めになってもなんらおかしくはないですし、実態経済には全く影響がない状況です。

できることなら一刻も早くお辞めになって病気の治療に専念されることが国民の幸せなのではないでしょうか。

当初この秋に消費税減税をシングルイシューにして解散総選挙に打ってでるのではないかとの見方もあったわけですが、どうやらそれも実現不可能に陥っているようで、足元のベストな選択はご自身自ら辞任されることしかなくなりつつあります。

個人的にはいつお辞めになってもウエルカムではありますが、まったくの役立たず政権終了の挙句の果てに辞任劇で相場で損失を食らうことだけは絶対避けたい気分です。

image by : 首相官邸

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