先日掲載の「竹中平蔵YouTubeに低評価の嵐。ブーイングが『いいね!』の40倍、国民騙せず?」でもお伝えしたとおり、すっかり化けの皮が剥がれた感のある竹中平蔵氏ですが、メディア戦略は巧みなものがあるようです。評論家で『竹中平蔵への退場勧告』の著作もある佐高信さんはメルマガ『佐高信の筆刀両断』で今回、対談相手として自身が避けられている事実とその理由を暴露。さらに経済学者の浜矩子氏が明かす、竹中氏がまともな経済学をまともに勉強していなかったと思しき「証拠」を記しています。

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竹中平蔵と与謝野馨の対立

『サンデー毎日』の2020年12月13日号に田原総一朗と私の激突対談が載っている。行司役は『毎日新聞』OBの倉重篤郎。

菅義偉をめぐる「激突」だが、当然、それは竹中平蔵をめぐる「激突」ともなる。テレビ朝日の『朝まで生テレビ』に竹中が出て適当なことを言っていたが、竹中に対峙すべき森永卓郎は人がいいため、押され気味だった。

田原の言を信じるなら、田原はスタッフに私を推薦したという。私の推測では、それは竹中が拒否したのだろう。これまでも、対談というか対決の企画はつぶれている。

竹中は、反竹中でも学者なら出てくるのである。金子勝にしても森永にしても、学者は理論にこだわる。それは言いくるめられると竹中は思っているのだ。

しかし私は、『竹中平蔵への退場勧告』(旬報社)に書いた如く、竹中のやったことやスキャンダルを追求する。

中立的な有識者を気取るなら、なぜ、パソナの取締役会長をやっているのかと、あくまでも問い続ける。竹中にとって理論など後からいくらでも言いわけできる道具にすぎない。言ってみれば理論派ではなく利権派なのだ。

2016年に出した岸井成格と私の『政治原論』(毎日新聞社)を読み返していたら、「竹中平蔵VS与謝野馨」という節が出て来て、そこで岸井は、竹中が総務大臣を辞めた時、安倍(晋三)政権で居場所がなくなったのだと思った、と言っている。それまで両者の批判は、岸井が思わずメモを取るくらい激しかった。それで岸井は安倍が竹中を切ったのだと思ったが、実は与謝野を切ったのだった。読みまちがえたわけである。

「結果を見たら、与謝野が閣外に去って、大田弘子が経済財政担当で入り、菅義偉が副大臣からそのまま後任の総務大臣になった。だから安倍は、実質的には竹中をとったということですよ」

大田は竹中の妹分である。そこで私は岸井に、「菅というのはどういう立場なの?」と聞いている。岸井の答えはこうだった。「安倍の親衛隊長だよ。切込隊長。竹中チームです」

安倍の後の福田(康夫)内閣で経済財政担当相をやった与謝野は“政策の職人”と呼ばれる。自民党総裁選に出た時には「人の痛みがわからない政党であってはならない」と強調していた。「人の痛みがわからない」竹中とは当然対立するだろう。

意見の違いは違いとして、私は与謝野と公私含めて2回か3回会っている。イヤな感じはなかった。少なくとも逃げるような人間ではない。そこも竹中とは違うのだろう。竹中には利権はあっても理論はない。菅とはその点も共通するのだろう。

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竹中平蔵と浜矩子は同じゼミ

竹中平蔵の「市場に任せる」は己の「私情に任せる」だと思いついた。彼を糾弾して私は『竹中平蔵への退場勧告』(旬報社)を緊急出版したが、幸い増版となった。それに付け加えなければならない話が浜矩子と私の共著『どアホノミクスの正体』(講談社+α文庫)に出ている。

浜の、アベノミクスはアホノミクスだという指摘は秀逸だった。それに「ど」を冠して「どアホノミクス」である。

「一時は竹中が日銀総裁になるという話もあった。こうなってみると、竹中と大して変わらない黒田東彦が総裁になってしまったという話ですよね」と私が言うと、浜は、「多少図々しさに違いはある程度ですね」と応じ、私が、どちらのほうが図々しいですか」と尋ねると、浜は、「竹中のほうが遥かに。黒田は若干うろたえた雰囲気がたまに出る一方で竹中平蔵はいけしゃあしゃあと人の痛みを無視できそうな雰囲気がある」と断罪した。

その竹中は、浜にとって、一橋大学の山澤逸平ゼミの2年先輩になるという。「それは『山澤ゼミ秘史』ですね。同じゼミから両極端の人物が輩出されたということですか。う〜ん、それは何とも。竹中は直接に知り合いですか」と驚くと、浜は答えた。

「面識はあります。テレビの討論で出会ったり、新幹線の中で会ったりとか。ただ、一橋大学のキャンパスで彼を見たことは一度もありません。私はまじめな学生でしたから、すべての授業にしっかり出ていました。いくら2年離れているとはいえ、同じゼミなら一度くらい顔を合わせそうなものなのに。竹中が如何に、まともな経済学をまともに勉強していなかったかがわかるというものですね」

浜は「中立であることが科学的・学者的であると思ってしまう傾向」がアホノミクスが出てくることを許してしまった知的背景だと批判し、当時の野党の民進党の弱点も同じだと直言した。

「いま、民進党は政権への色気だけで抵抗しているから、政権に歯が立たない。野党は野党として徹底的に政権を批判し抜けばいいのであって、蓮舫の言う対案型など最悪です」わが意を得たりと私も、「『対案を出せ』という奴と『自己責任』を言う奴は敵なんですよ」と応じ、浜は次のように論断した。

「『対案を出せ』と言われて、素直に対案を出すのは最も愚かです。『馬鹿にするな。そんなことのために我々は生きているのではない』と言わなければいけない。そこが本当に弱い」

ちなみに4年前に出したこの本は2ヵ月で5万部に達し、『どアホノミクスよ、お前はもう死んでいる』という続編がでた。(メルマガ『佐高信の筆刀両断』より一部抜粋・文中敬称略)

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