12日から「まん延防止等重点措置」が適用された東京、京都、沖縄。どこまで効果があるのか未知数な「まん防」より、もっとやるべきことがあると声を上げるのは、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』著者で小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんです。石川さんは、フランスなど世界の厳しい状況を紹介しながら、日本政府や都が選択した「まん防」の効果を疑問視。英国の例を挙げて、本当に全力をあげるべき対策を提言しています。

政府はすべての力をワクチン確保に集中すべき/「まん延防止」を広げても効果は限定的

「また時短ですか……」

地元出身者が営む都内の居酒屋で食事をしていたら、店主がつぶやいた。

4月8日に大阪府で感染者数が900人を超えた。 大阪の感染者数は前週比150%の状態が続いている。 4月1日に600人台になっていたので、「600×1.5=900人」に達すると予想されていたがその通りの結果となった。 このままいくと、次週は「900×1.5=1300人」を超えることとなる。 まあ効果が少し出て少し鈍化したとしても1000人は超えるだろう。 

大阪府は4月5日から「まん延防止等重点措置」地域となっている。 その効果が出るのが2週間後と推定されているので、来週まで増加は続き来週中にピークを迎えた後で減少に転ずると予想されるが、稼ぎ時と考えていた観光業には大打撃だろう。

静観していた東京も500人を超える事態になり、小池百合子知事は8日、政府に「まん延防止措置等重点措置」を要請した。

政府は9日、東京に加え、沖縄と京都での適用を決めた。 大阪、兵庫、宮城に加えて、関東や沖縄にも広がることになる。 結局、五月雨式に広がり、全国各地にいわゆる「まん防」が指定される結果となった。 

それでも効果が限定的となれば、3度目の緊急事態宣言も視野に入ってくる。 

国民の疲れはピークに達している。 銀座のクラブ街は「要請に従っていたら店がつぶれる」と反旗を翻し、いまや時短要請に応じていない。 「まん防」適用となれば、東京都からの時短命令に従うかどうかの判断を迫られるが、恐らく従わないだろう。

感染防止と経済の維持の両立をどうこなすかが肝心なところだ。 感染防止をするためには「ロックダウン」が有効だが、相当の支援金を要するし全てがストップしてしまう。 私権制限を伴うものは日本ではなかなか難しいのが現状だ。

世界的に見れば、日本は国民生活への支障が少ないほうである。 フランスでは再びロックダウンが実施されており、市民は普通の生活を送れないでいる。

日本人はまだ幸せである。 しかし、他国と比較しても仕方がない。 「もう限界だ」と感じている日本人も多い。 これを政治の力で何とかしなければいけない。

先週のメルマガで、ノーベル賞を受賞した科学者に学べと書いた(『「まん防」に効果がない理由。政府が聞くべきノーベル賞受賞者4人の声』)。 やはり、ワクチン接種を加速させるしかないのだ。 自治体への負担が増える解散なんて馬鹿なことを言っている時ではない。

ワクチン接種の有効性を英国の例で見てみよう。

「私たちの努力が報われていることは明らかです」

英国のジョンソン首相は5日の会見で、1月から続く3度目のロックダウン(都市封鎖)の一部緩和に踏み出すと宣言した。 英国は、英国型の変異株が最初に確認され、感染状況が欧州最悪の時期もあった。 しかし、6日の新規感染者数は2379人と、1月の6万人超から急減。 政府発表によると、一時は1日1300人を超えた死亡者数も20人に減った。 劇的に状況が改善した背景には、厳しいロックダウンとワクチン接種の順調な増加があるとみられる。 一方、ワクチンは5日までに、人口の47%にあたる約3162万人が1回目を接種。 70歳以上では9割が受けた。 人口接種率32%の米国や14%の欧州連合(EU)を引き離す。 

他国に先駆けてワクチンを確保するため、英政府は昨年5月、オックスフォード大とアストラゼネカに6550万ポンド(約100億円)を投資。 米ファイザーやモデルナなどとも契約し、現在は計8種類、4億5700万回分を押さえた。 (出典:『英首相「私もパブでビールを」 感染状況が劇的改善』朝日新聞デジタル 2021年4月7日)

ワクチン確保に英国が使ったのはたった100億円だ。 日本政府がコロナ対策に使っている金額からしたら、たかが知れている。 

政府はすべての力をワクチン確保に集中すべきだ。

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