先日掲載の「戦犯は『橋下維新』。大阪のコロナ医療崩壊を招いた知事時代の愚策」で、橋下徹氏が府知事時代に断行した「医療力の半減」を大阪の医療崩壊の最大の要因と断言した、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。大村さんはメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で今回、その記事に汚い言葉をもって批判を浴びせてきた大阪維新の会所属のある大阪市議に対し、「独立行政法人も公立病院も同様のものと解釈されている」とその誤りを指摘した上で、大阪が東京よりもはるかにコロナの死亡率が高いことについて、まったく責任も感じず、反省もないのかと質問。さらに愛知県知事のリコール不正投票事件に関与しておきながら無視を決め込む維新の姿勢と、公党の責任を追求しないメディアを強く非難しています。

【関連】戦犯は「橋下維新」。大阪のコロナ医療崩壊を招いた知事時代の愚策

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の2021年6月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

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橋下維新という日本の闇

前回号では、大阪の医療崩壊は橋下氏から続く維新府政の責任だということを述べました。

【関連】戦犯は「橋下維新」。大阪のコロナ医療崩壊を招いた知事時代の愚策

前回号の要旨は以下の通りです。

2008年に橋下徹氏が知事になってから、大阪府や大阪市は、「行政の無駄を省く」という号令のもと急激に公立病院を減らしました。市立病院を独立法人化したり、府立病院に統合したりして、大幅に病院施設の削減を図りました。総務省の統計によると2007年の大阪府の公立病院には医者と看護師は8,785人いましたが、2019年には数半分以下の4,360人になっているのです。そのために、大阪は日本でもっとも新型コロナ死亡者が多く、人口当たりの死亡率は東京よりもはるかに高く、一時的にはインドよりも死亡率が高いという事態になったのです。

この記事は、ネットニュースにもなり多くの人にリツイートされたのですが、執拗に反論するコメントもありました。その反論コメントの趣旨というのは、「橋下府政の時代、公立病院の職員は減っているが独立行政法人となった病院の職員は増えている」「だからこの記事はデマだ」というようなものでした。この反論は、筆者の趣旨をまったく理解していない的外れのものです。

確かに橋下府政から現在に至るまで、独立行政法人等の病院職員の人数は増えています。が、筆者は、記事の中で公立病院の職員を減らしたことを批判しているのです。公立病院と「独立行政法人の病院」というのは、経営の根本部分がまったく違うのです。公立病院というのは、その名の通り、国や自治体が直接運営しており、経営面に全責任を負っています。だから赤字が出るような採算の取れない医療も行うことができます。

しかし、独立行政法人というのは、基本的に経営はその法人の責任で行います。つまり自分で利益を出さなくては成り立っていかないのです。必然的に、赤字が出るような採算性のない医療は行うことができません。

感染症対策などということは、採算の取れるものではなく、なかなか公立病院以外ではできるものではありません。

また、いざ新型コロナのような深刻な感染症が生じた場合に、公立病院であれば、国や自治体の指示により、その対策を全力で行うことができます。しかし独立行政法人はそもそもが公から独立した存在なのですから、そう簡単に国や自治体のいうことは聞きません。特に新型コロナ患者の受け入れなどは、病院としてはリスクが大きいのです。公立病院のように素直に従うはずはありません。

さらに維新は、赤十字病院や済生会病院など、慈善事業系の病院の補助金も大幅にカットしました。赤十字病院や済生会病院は、その地域の救急医療や感染症医療も担っていました。

大阪では、吉村知事がいくら病院側に呼び掛けても、なかなかコロナ患者の病床などは増えませんでした。「そりゃ、当たり前だろう」という話です。

公立病院の削減は、大阪だけではなく国全体の流れでもありました。大阪の公立病院の独立法人化も、橋下氏以前に計画されたものもあります。しかし、橋下府政によって、その流れが急加速され職員などが激減されたことは間違いのない事実なのです。ほかの自治体が公立病院の削減に慎重になるなかで、橋下氏や維新だけは「削減することは正義」とばかりに激しく方針を進めたのです。

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維新関係者の執拗な攻撃コメント

筆者は前回の記事の中で明確に、橋下府政が公立病院を独立行政法人などに移行させたことが、今回の医療崩壊を招いたと述べております。そこに、事実関係を誤認している点はなく「デマだ」という反論こそがデマなのです。

また筆者にとって、この反論コメントで非常に腹立たしかったのはあまりに執拗に行われたということです。私の見ただけで何十回もの、同じ内容な反論コメントが書かれていました。もうこれは反論の域を脱して、攻撃というようなものでした。

これは絶対、維新の関係者が絡んでいるなと思っていたところ、実際に維新の議員もこういうコメントをしていました。

その維新の議員というのは、大阪市会議員の飯田哲史氏です。飯田氏は「維新の府政下では独立行政法人と公立病院の職員が増えている」旨のグラフを示し、汚い言葉とともに記事を批判されています。が、飯田氏は、独立行政法人も公立病院も同様のものと解釈されているようですが、独立行政法人と公立病院の違いもわからずに、市議会議員をされているのでしょうか?また維新は、独立行政法人と公立病院の違いもわからない人物を市議会議員にされているのでしょうか?

また筆者が、一番、飯田氏や維新自体にお聞きしたいのは、大阪が東京よりもはるかに死亡率が高いことについて、維新はまったく責任も感じず、反省もしていないのか、ということです。

大阪市会議員の飯田哲史氏や維新の関係者の方々、もし私の記事に反論したいのであれば、この質問に真正面から答えていただきたいものです。逃げたり、話をそらしたりせずに。

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民主主義の根幹を揺るがす問題がまともに報じられない

また、維新に関しては、現在、国家の根幹を揺るがすような大事件に関与しているにもかかわらず、これについても無視を決め込んでいます。その事件とは、愛知県知事のリコール不正投票事件です。

ご存じの通り、愛知県知事のリコール不正投票というのは民主主義の根幹を揺るがす大事件です。この事件では、リコール運動の事務局長の田中孝博氏は日本維新の会の愛知5区の支部長だった人物です。次期衆議院選挙では候補になるとみられていました。また維新は、このリコール運動に積極的に協力しています。

田中孝博氏は、不正投票が発覚した今年の2月に維新に辞表を出しています。なので維新はこの不正投票にはまったく責任がないという姿勢をとり続けています。

維新の創設者であり、今の維新の精神的支柱である橋下氏も、この問題に触れることはほとんどなく、今もテレビで政治批判などを繰り広げています。

というより、この不正署名事件に関して維新との関わりをメディアはほとんど追及していません。仮にも公党の支部長が重大な事件を起こしているのです。にもかかわらず、その公党の責任をほとんどのメディアはスルーしているのです。

「民主主義の根幹を揺るがす大事件がまともに報じられない国」それが今の日本なのです。日本は本当に情けない国になったと思います。

ところで橋下氏や維新は、公立病院だけではなく公務員も大幅に削減しています。それだけならまだいいのですが、こともあろうに削減された人員を埋めるために、こともあろうにあの竹中平蔵氏のパソナに人材派遣を依頼しているのです。もちろん、大阪はとんでもない事態になっています。次回は、その点について掘り下げたいと思います。

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