ロシアによるウクライナ侵攻を受け高まる改憲の声。全国紙の世論調査ではいずれも賛成が増加し、反対派を大きく上回っています。この状況に改憲反対派の反応が過剰になっていると懸念を表明するのは、台湾出身の評論家・黄文雄さんです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で黄さんは、護憲派が崇め奉る憲法前文の「諸国民の公正と信義に信頼する」について、公正も信義もない隣国の行状を例にあげ、独裁制の「ならず者国家」を信頼してはいけないと警告。最大の護憲政党だった旧社会党が消滅したように日本国を消滅させてはいけないと訴えています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年5月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【日本】「日本国憲法脳」に侵された護憲派は、世界の危機に気づかない

● 憲法改正「賛成」60%、「自衛のための軍隊保持」は45%…読売世論調査 : 読売新聞オンライン

5月3日は憲法記念日でしたが、新聞各紙が憲法改正に関する世論調査を行ったところ、読売新聞では賛成60%で反対38%、朝日新聞は賛成56%、反対37%、毎日は賛成44%、反対31%と、いずれも賛成が反対を大きく上回ったことが報じられました。
● 改憲「必要」56%、9条「変えない」59% 朝日新聞世論調査(朝日新聞デジタル)
● 岸田政権下での憲法改正 賛成44%、反対31% 毎日新聞世論調査(毎日新聞)

とくに読売新聞の調査で賛成が6割に達したのは、郵送方式となった2015年以降で最も高く、朝日新聞の数字も郵送調査を始めた2013年以降で最多だったとのことです。それぞれ調査法が違うこともあり数字にばらつきがありますが、朝日、毎日のこれまでの偏向ぶりからして、私は読売がいちばん正確だと思っています。

やはりロシアのウクライナ侵攻が影響しているのでしょうか、これまで以上に世論が改憲に前向きになってきていることが明らかになりました。そうした危機感からでしょうか、改憲反対派の改憲派批判は過剰なほどでした。

とくに衆院憲法審査会で野党筆頭幹事を務める立憲民主党の奥野総一郎議員は、「ロシアより許せないのが今の与党」「どさくさ紛れに改憲を試みよう、国民を騙そうとしている」などと発言、ロシア以上に自民党のほうが危険だという暴論に批判が殺到し、謝罪のうえ発言撤回する事態となりました。
● 「ロシアよりも許せないのが与党」立憲・奥野氏が謝罪 「ちょっと言い過ぎた」「エキサイトして…」関連発言も撤回: J-CAST ニュース

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いつもながら思うのですが、護憲派は意図的か無意識なのかわかりませんが、敵対する周辺国の軍事的脅威を軽視し、日本が他国並みの安全保障体制を整えるほうがよほど危険だとする思想を持っているようで、これは非常に不思議なことだと言わざるをえません。

かつて最大の護憲勢力だった政党といえば社会党ですが、北朝鮮による拉致を「ありえない」と頑なに否定し続けてきました。結局、その北朝鮮が拉致を認めたことで、社会党のメンツは丸つぶれ、その後、衰退の一途をたどりました。

社会党は朝鮮労働党と友党関係にありましたが、「親友」だと思っていた北朝鮮の真実を見抜けず、むしろ北朝鮮の拉致疑惑を擁護したため、結果的に日本国民を「裏切った」ことになってしまったわけです。

日本国憲法の前文には、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という一文があります。

しかしこれは、大陸から渡ってきた国民党の中国人による台湾人虐殺228事件や、中華人民共和国による「文攻武嚇」(言葉と武力による威嚇)を体験してきた台湾人からすると、なんとも平和ボケした異常な内容だとしか言いようがありません。

このメルマガでも何度か紹介しましたが、1992年、韓国が中国と国交を樹立する際、台湾は韓国が台湾との国交を破棄するのではないかと何度も韓国側に問い合わせましたが、その答えは「断交はありえない」というものでした。そのうえで、韓国は台湾に対して韓国車を5万台も売りつけたのです。台湾は、国際市場で人気のない韓国車を大量に買うことになりましたが、それでも韓国の言葉を信じました。

しかし韓国は、中国との国交樹立を発表すると、すぐに台湾との断交を発表、その日のうちに台湾大使館の保有資金を中国名義に変更し、台湾の大使を追い出しました。そのとき韓国側は「我が国の外交的勝利だ」などと大いに喜び、台湾を侮辱しました。

こうした経験があるだけに「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼する」ことなど、絵空事でしかなく、しかもそれによって「自らの安全と生存を保持する」などというのは、自殺行為以外の何ものでもないと言わざるをえません。

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ところが護憲派からすると、この「諸国民の公正と信義に信頼する」ということが崇高なことに映るようです。この前文について、経済学者の浜矩子氏は、「いつ読んでも、この決意表明には胸が打ち震える。他者を信じて疑わず、そこに自分の安全と生存を委ねてしまう。何たる勇気。何たる清廉」と絶賛する一方、この前文に疑問を投げかけている安倍晋三元首相を批判しています。
● 浜矩子「アホノミクスの大将率いる軍備増強論者たち ウクライナに便乗する不謹慎さに唖然茫然」〈AERA〉(AERA dot.)

しかし、旧社会党も、北朝鮮の公正と信義を信頼して日本人拉致を否定していたわけでしょうが、北朝鮮を信頼した結果、社会党は消滅してしまいました。歴史に学ぶならば、独裁制の「ならず者国家」を信頼してはいけないのです。

同じ過ちを犯して、日本が消滅しないことを祈るばかりです。(メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年5月11日号より一部抜粋)

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