もはや強大な軍事力を手にしたといっても過言ではない北朝鮮。この国に対し日本は今、どんな手を打つべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、世界的戦略家による4つの選択肢と、日本が国連常任理事国入りするための秘策が記された書籍を紹介しています。

『戦争にチャンスを与えよ』
エドワード・ルトワック 著 奥山真司 訳/文藝春秋

エドワード・ルトワック『戦争にチャンスを与えよ』(奥山真司・訳)を読んだ。初めて聞いた話がいくつもあるが、中でもこれは知ったかぶりして友達に披露したいと思った二つの提案(byエドワード・ルトワック)がある。ひとつは差し迫った危機、つまり北朝鮮の二つの特異点への対応、もうひとつは日本人が誤解して大好きな「国連」の、常任理事国入り作戦だ。

まず、北朝鮮の特異点の1、それは「リーダーのヘアスタイルがひどい」ということ(たぶんジョーク)、その2は「軍事関連の技術力は侮れない」である。根本的に日本やアメリカ以上の底力があるらしい。人工衛星を打ち上げ、中距離弾道ミサイルを発射(潜水艦からも)、ミサイルに搭載可能の核弾頭の開発。

その爆発実験も成功させたらしい。日本が追いつくには15年はかかるとみる。北朝鮮の軍事開発力は極めて危険な域に達しており、真剣な対処が必要である。戦略家であり政治家ではないルトワックが、日本政府に対して言えるのは「何もしないのが最悪の選択で、以下の選択肢のうち一つを実行せよ」である。

第一の方策:「北朝鮮に降伏する」。真に何を望んでいるかを聞き出し、経済制裁をすべて解除。代わりに北朝鮮には500km以上の射程のミサイル開発をやめてもらう。 第二:「北朝鮮を先制攻撃する」。核関連施設を特定しつつ、それらをすべて破壊する。非常に大きなリスクを伴う。やるなら、いますぐ。 第三:「抑止」日本が1,000km射程の弾道ミサイルを持ち、核弾頭を搭載する。 第四:「防衛」ミサイル防衛システムを構築する。

ところが、現実にはどれも選択していない。いかなる行動もとっていない。「まあ大丈夫だろう」という無責任な放置だ。こういう態度こそ、平和を戦争に変えてしまうと警告する。

国連の常任理事国入りの秘策あり。日本がいまとっている国連対策は、ドイツ、ブラジル、アフリカ2国、インドの5か国とチームを組んで、というものだった。常任理事国を6か国増やすという「誰も欲しないプラン」を追求してきた。インドと日本だけが他国から支援を受けられる国であり、他の4か国は敵が多過ぎる。

そこで安保理の席でこう言う。「6席もいりません。ブラジルやドイツは関係ありません。われわれが欲しているのはたった1席です。これをインドと共同で得ることです。2、3年ごとに日本とインドで席を分け合うのです」。インドはロシアから強い支持を得て、日本はアメリカから強い支持を得るはずだ。

こうなると、日本に対する唯一の反対派・中国は孤立する。全常任理事国は賛成せざるを得ない。日本とインドは、ODA受益国などからも支持を得ることができる。これはナイスなアイデアである。もし成功したら、ルトワックが大好きな伊東温泉に自分の銅像を建てて欲しいという(たぶんジョーク)。

編集長 柴田忠男

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『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』

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出典元:まぐまぐニュース!