COP26での存在感の薄さを見るまでもなく、地球温暖化防止の分野で完全なる「後進国」に没落した観の否めない日本。今後も勢いを増すばかりと思われる脱炭素という潮流の中、我が国が取るべきはどのような対策なのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、日本に残されている「3つの道」を具体的に提示。その上で、国民の生活レベルが下がることにはなるものの、国が率先して産業と生活を温暖化防止へシフトしてゆくしかないとの見解を記しています。

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COP26の急進的な温暖化対策でどうなるか?

日本は20年前、温暖化防止技術の先進国であったが、ここでも国が産業育成政策をしなかったことで、日本企業は、この分野でも競争力をなくしている。いかに国家の産業政策が重要かは、中国を見ればわかる。

太陽光、風力、リチウム電池の分野で上位にいるのは、すべて中国企業である。日本企業では電池のパナソニック1社しかない。そのうち特に、中国の鉄系リチウムイオン電池の価格破壊は恐ろしい。

軽のキャンピングカーでも、中国製鉄系リチウムイオン電池のおかげでワットの小さなクーラーなら使えるようになり、夏が涼しくなった。重たいが価格は安い。テスラが安くなったのも、鉄系リチウムイオン電池のおかげである。EVもこのままでは負けるような感じだ。

そして、温暖化防止を怠った日本は、石炭火力発電所が重要な発電設備であり、原子力発電は震災後、停止しているので、使用できない。温暖化防止で10年以上も引き離された。この分野では、後進国になっている。

日本とは違い、欧州は着々と電源改革をして、再生可能エネルギーにシフトした。このため、COP26で、中心的な位置にいる。急進的な思想も推進できる基盤があるが、日本にはできないし、太陽光や風力の最適地も少ない。

この上に原子力も止めていると、温暖化防止は、日本一国ではできないし、急進的な脱炭素運動で、化石燃料の資源開発を中止すると、原油や石炭、LNGなどの炭素資源価格は上昇していくことになる。

これ解消するためには、3つの方向しかない。1つに海外の再生可能エネルギーを開発して、日本に持ってくる。

2つには、核物質が質量の小さい方向に核分裂する比較的安全なトリウム原子力発電を実現する。トリウム自体も比較的多い資源であるので、資源枯渇も当分ない。

この原子炉で高温熱分解で水素もできるので一石三鳥の価値がある。温暖化防止と水素と電気が得られる。このエネルギー源をメインとするしかない。

3つに家や工場、倉庫などの屋根に太陽光発電を義務化して、家の電気の多くの部分を内製化させる。次に電池の設置を義務化することも視野に入れる。

プラスチックは、ゴミからの再生にシフトする。植物由来のプラスチックは高いので、木のくしや小物や紙のコップなどに逆戻りも必要になる。

どちらにしてもエネルギーや生活用具のコストが上昇して、物価が上がり、ここでも国民の生活レベルは下がることになる。エネルギーと生活用品のコストが上がることになる。

しかし、温暖化防止のためには、その方向で、社会を変えることが重要であり、国が率先して、産業と生活シフトをするしかないはずである。

シフトできるまでは、欧州の急進的な脱炭素運動に巻き込まれないようにするしかない。

覚悟を持つ必要はあるが、急進的な思想で事態が進行すると、国民生活を破壊するので、気を付けた方が良い。

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富士火山帯の活動期か?

もう1つ、自然環境的にも、日本は火山の噴火や地震などの影響を受ける方向である。小笠原諸島周辺で海底火山の爆発が起きて島ができ領土が広がっているが、大量の軽石が太平洋に広く流れ出して、船舶の航行ができなくなる可能性が出ている。それも続けての噴火になっているので、長く続く可能性がある。

日本国内航路の中心を太平洋上ではなく、日本海上に移すことも考える必要が出てきたように見る。交通網の整備も、それを見据えてしないと危ない。

鉄道貨物輸送やパインプラインの日本海側と太平洋側を結ぶ幹線を複数設置することである。日本の国家構造を変化させる必要になっている。新しい新幹線網の完成より、こちらの方が重要である。

港湾設備の隣に鉄道貨物ヤードを置くなど、昔に戻る必要になっているとみるし、海上コンテナをそのまま貨車輸送することである。

海外航路も対馬海峡や津軽海峡で日本海に入り、新潟など日本海側の港で、陸揚げすることも考える必要が出てきたようだ。

富士火山帯が活発な火山活動期になったことが大きい。このため、関東周辺での大地震の可能性も出ている。この頃、東京での地震は、その前兆現象の可能性もあると見ている。

さあ、どうなりますか?

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image by: Federico Fermeglia / Shutterstock.com

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