韓国では5月10日に新大統領に就任する尹錫悦(ユン・ソンヨル)氏が就任し、長く続いた文在寅政権の時代が終わろうとしています。そこで、今回の無料メルマガ『キムチパワー』では、文政権時代の5年で国民の考えがどう変化していったのかを明らかにしています。

文政権時代5年を経て保守性向が大幅に増えた

この5年間で、自分の政治性向を「保守」と考える人が大幅に増え、「進歩」と認識する人の割合を追い越したことが分かった。

文在寅やチョ・グクに象徴されるネーロナンブル(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫、これが原義)、偽善、欺瞞、狡猾、鉄面皮などのイメージがあまりに強かったことが大きく作用したと見られる。以下、ちょっと細かい数字が出てきて読みづらい面のあるが、飛ばしながらでも読んでいただけるとうれしい。

韓国行政研究院が10日に公開した「2021年社会統合実態調査」によると、自分の理念性向に対して保守的(非常に保守的+多少保守的)と答えた回答者は30.4%で、5年前の2016年の26.2%より4.2%ポイント増加した。

反対に「進歩的(非常に進歩的+多少進歩的)」と答えた回答者は22.8%で、2016年の26.1%から4.7%ポイント減少した。

文在寅政府が発足した2017年当時と比べると、保守性向は21.0%から9.4%ポイント急増して30%台に上がった格好。2016年以降初めて「保守」回答が「進歩」回答を上回った。当時と現在の認識構造が大きく変わったと言える部分だ。

今回の調査で、自分を「中道」と答えた回答者の割合は46.8%を記録し、前年(47.6%)より小幅減少したが、2013年(46.3%)以降40%台後半の水準はそのままだ。

性別を見ると、自らを中道と答えた回答者は、女性(49.3%)が男性(44.3%)より多く、進歩という回答は男性(25.1%)が女性(20.5%)より多かった。保守比率は男性(30.6%)と女性(30.2%)がほぼ同じだった。

若年層の「脱進歩」現象も明らかになった。

今回の調査で、20代以下の「進歩・保守」回答はそれぞれ「31.5%対9.6%」と進歩がリードしたが、2017年の調査では「36.4%対10.5%」だったのに比べると、進歩回答は4.9%ポイント減少している勘定。

30代では進歩回答が2017年の40.0%から昨年26.9%と、13.1%ポイントも減少した。ただ「進歩」の減少がそのまま保守の増加につながっているのではなく、中道層の割合が増えている。

自らを「進歩」と評価する人の割合は、世帯所得が高い場合に多く、保守とした割合は世帯所得が低い時に多かった。これは金持ちがより保守性向になるという一般的通念とは反対の結果で、最近の韓国ならではの傾向といえるだろうか。

月の世帯所得が100万ウォン未満で保守という回答は47.3%であり、進歩という回答は10.5%となっている。月の所得が100万から200万ウォンの場合は、保守回答51.5%および進歩回答12.0%だった。

一方、「500万ウォン〜600万ウォンの世帯」と「600万ウォン以上世帯」では、保守と進歩回答がそれぞれ23.6%・25.6%、および25.7%・25.8%と、このレベルでは保守と進歩が拮抗する形だった。

北朝鮮離脱住民、移民者などを排斥する社会ムードはさらに激しくなった。北朝鮮離脱住民(脱北者)に対して「受け入れられない」(排除)と答えた割合は25.0%で、2020年の調査(18.3%)より6.7%増加し、文在寅政府が発足した2017年(14.3%)に比べて10%以上増えた。

外国人移民者と労働者を排除する認識は、今回の調査で12.9%を記録し、前年調査(9.9%)より3.0%ポイント増えた。2017年(5.7%)の2倍を超える水準となった。

「性的少数者を受け入れられない」という回答も54.1%で、2020年(57.0%)より小幅に減少したが、2018年(49.0%)に比べるとむしろ5.1%増えた。文政権時代を経ながら排他的傾向が少しずつ増したと考えられる。

このような中、国が追求する価値として「分配」(37.4%)を挙げた回答が「成長」(26.7%)を上回った。同調査が始まった2013年以降、分配が先行したのは今回が初めてだ。

ここで「分配」というのは、大企業や大富豪が一極集中的に儲けるという構造ではなく社会の各層がそれぞれの立場で幸福に生きていけるような社会にすることである。

コロナ不況で苦しむ食堂や中小企業などにそれなりの支援をしているのも「分配」の一環とみていいだろう。

(無料メルマガ『キムチパワー』2022年4月12日号)

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