ゼロコロナ政策にこだわるがあまり、国民を厳しい監視下に置く中国。そんな強権をもって独裁政権を維持してきた習近平政権が今、自縄自縛とも言える事態に陥っているようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国当局が自国国歌の歌詞をネットで流すことを禁じたというニュースを紹介するとともに、その意味するところを解説。黄さんはさらに、現在世界がロシアと並行して中国への警戒を高める必要がある理由を説いています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年4月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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【中国】国歌さえも「反国家的」として歌えなくなった中国

● 上海民怨「起來!不願做奴隸的人們」 中國傳封殺國歌歌詞

新型コロナの拡大にともなうロックダウンが3週間を超えた上海では、混乱が止まりません。食料の奪い合いや警察官による市民への暴動などの映像は、日本のニュースでもよく目にします。

また先日は、隔離される飼い主を追いかけた愛犬を、地元の防疫担当者がスコップで撲殺するといった事件も起こりました。このような飼い主の隔離によりペットが勝手に殺処分されるという事例が相次いでいるそうです。

● ゼロコロナ、ペットも受難 飼い主隔離中に殺処分―中国・上海

まさに阿鼻叫喚の地獄絵図の様相ですが、そんななか、中国では国歌の歌詞をネットで流すことが禁止される事態となっているそうです。中国の国歌といえば「義勇軍進行曲」ですが、冒頭、「起來!不願做奴隸的人們」(立ち上がれ!奴隷になりたくない者よ)という歌詞で始まります。

つまり、この歌詞が上海市民の中国当局への不満を煽る可能性があるということで、ネットで禁止令が出ているということなのです。「ヴォイス・オブ・アメリカ」によれば、2020年に新型コロナが流行した際にも、中国のSNS「豆瓣」で、この歌詞に「過激な時事問題や思想が含まれている」という理由でブロックされたことがあるそうです。

中国のネットでは「自分たちの国歌が禁止語になっているというチャイナ・ジョーク」と嘆く声が飛び交っているとのこと。

この「義勇軍進行曲」はもともと、抗日歌曲として作られました。国を救い民族を開放するという歌詞が禁止されるということは、中国当局こそが人民を押さえつける「人民の敵」になったということを意味します。

実際、上海のロックダウン後、中国のネット上では、「愚かな人間が権力を握るとどうなるか」という、中国指導部を風刺するような論文が表れ、話題になったそうです。習近平については、中国人のあいだではかなり以前から「草包」(能無し)と陰口を叩かれてきました。

● 上海動態清零…中國網路流傳文章論「蠢人掌權」

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「自由時報」によれば、こうした事態を受けて、中国では移民を望む富裕層が激増しているとのこと。ネットの検索エンジンでは「移民」というキーワード検索が4月以降7倍になり、移民コンサルタント会社には対応できないほどの問い合わせが殺到しているといいます。

これまでは移民計画を見送ってきた中国人が、出国へ向けた動きを再開するようになっているのです。もともと中国人の多くは、中国から脱出し、欧米で暮らすことが「最大の夢」でした。しかし、中国発の新型コロナが世界的大流行したことから、中国人嫌悪が各国で高まりました。

こうした、海外における中国人への反発の恐れから、富裕層も移民を控えるようになっていたのです。しかし現在は、海外で反発を受けてでも他国へ逃れたいと思う中国人が激増しているということであり、それほど状況は悪いということなのです。

● 中國封鎖上海引發不滿 富人「用腳投票」狂問移民

経済成長率も1〜3月の経済成長率も前年比4.8%で政府目標の5.5%を下回りました。いつもながら数字の信憑性には疑問がつきますが、さすがに中国最大の経済都市がロックダウンしている状況で、政府目標を達成するのは無理があると思ったのでしょう。

そんななか、中国は南洋のソロモン諸島と安全保障協定を締結しました。これにより、ソロモン諸島には中国軍の派遣が可能になるとされ、地域の不安定化を招くおそれがあると懸念されています。

● 中国 ソロモン諸島と2国間の安全保障協定を締結

中国はロシアのウクライナ侵攻についてもロシア側を擁護し、ロシアのフェイクニュースをそのまま流している状況です。

中国国内で人民が立ち上がることを警戒して締付けを厳しくする一方で、反欧米で結束しようとしているわけですが、そうなるとますます世界とのデカップリング(切り離し)が進むことになるでしょう。実際、すでに米中貿易戦争で中国のIT・半導体企業はアメリカの制裁対象となっています。

ロシアは西側の制裁により最新部品が入らなくなり、軍事や航空産業では兵器や機器がつくれなくなっているといいます。中国も同様で、新たな東西冷戦のなかで、明らかに西側諸国からの技術が入らなくなりつつあるのです。

そこで中国が技術を盗もうとしているのが、台湾です。台湾では中国企業が高度な技術者を違法に獲得する動きが活発しているのです。台湾では中国本土企業の直接投資を禁止していますが、表向きは香港企業の子会社を装いながら、実態は北京や上海など中国本土に拠点を置く中国企業が侵入し、半導体人材や技術を盗むスパイ行為が横行しているのです。そのため台湾当局は3月に関連8社を家宅捜査し、現在も約100社を捜査中だといいます。

西側諸国から切り離された独裁国家は、スパイや侵略によって資源や技術を強奪するしかなくなります。ロシアと並行して、世界は中国への警戒を一層高める必要があるのです。

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