中国や米国に大きく引き離され、グローバル価値を再構築すべく動いている日本ですが、実はお隣の国・韓国でも同じような動きが出ているそうです。そこで今回は、無料メルマガ『キムチパワー』の韓国在住歴30年を超える日本人著者が、 日本と韓国どちらにとってもメリットのある、“とある提案”をしています。

日韓経済連合を模索すべき時

米国「ブラックロック」は低評価大型株を主に買い入れ、長期投資するファンドとして有名だ。運用資産だけでも約9,500兆ウォン(=約950兆円)に達する世界最大の資産運用会社である。

ブラックロックは先月の株主書簡で、「ウクライナ事態はこの30年間、我々が経験してきたグローバル化に終止符を打ち、他国への経済依存度を再評価する過程で政府と企業は製造工場を自国や近隣諸国に移すことになるだろう」と見込んだ。

さらに製造ハブとして浮上し恩恵を受ける国として米国、メキシコ、ブラジル、東南アジア諸国を挙げた。韓国はリストに含まれていない(日本も同様)。

ちなみにブラックロックは、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に本社を置く、世界最大の資産運用会社である。

韓国は長い間、グローバル化と自由貿易システムで成功の法則を立証してきた国だ。グローバル化が終止符を打ち、ブロック化に回帰すれば深刻な被害を受ける構造であることは容易に想像できる。

さらに韓国を困難にするのは、韓国の産業構造が部品・素材の側面で徹底的に日本に依存しているという点だ。

韓国が世界1位を走るスマートフォンやテレビ、半導体などは、一様に日本の部品・素材と韓国の組み立てがもたらした協力の結晶だ。もちろん、これを逆に表現すれば、日本産業の大口顧客も韓国ということでもある。

韓国と日本は今、グローバル価値再構築の嵐の真っただ中にいる。これを乗り越えつつ競争力を伸ばしていく妙案はあるだろうか。フランスとドイツを主軸にした欧州連合(EU)方式が画期的な代案になり得るものと考える。

フランスとドイツは、相手を信じられない歴史的に厳しい関係だったが、お互いを不信しつつ国家を運営するのではなく、一つに統合したことで「ゴルディウスの結び目」を解くことに成功した。両国は過去を忘れて一つになった。

韓国と日本も市場統合で互いが宿命のように抱えている対立を解消し、互いの長所でシナジーを極大化してはどうだろうか。そのような点で、両国の市場統合は国際秩序再編の過程で共同繁栄と共存のための近道になるだろう。

このような努力が可視化すれば徴用工問題、慰安婦問題、輸出規制の葛藤、韓日軍事情報保護協定(ジソミア)など、歴史・経済・安保など多様な面において葛藤局面にある構造を解決することもできるのではないだろうか。

EUの事例からも分かるように、相互不信をむしろ統合の触媒として生かすコペルニクス的転換が求められる時局だ。

まだ二国間自由貿易協定(FTA)も締結できていないが、韓国と日本は域内で珍しく自由民主主義と市場経済の価値を共有する国家だ。内需市場の相互開放を通じて「規模の経済(economic of scale)」を確保する莫大な経済効果を享受する資格も備えている。

2億人に迫る非常に均質な消費社会が誕生するだろう。両国経済を合わせると国内総生産(GDP)規模が7兆ドルに達する。

韓国人は市場を開放・拡大するほど、より大きな潜在力を発揮する特性がある。日本は、韓国の情報技術(IT)と若い活力を吸収し、老衰した経済に新たなエネルギーを吹き込む機会をつかむことになる。

スケールの面で国際社会の誰もむやみに対応できない「行為の主体」になり得る。中国が経済制裁カードを振り回しても、勝ち抜くことができるボディとなる。

米国も日韓経済連合の重さを意識せざるを得ないだろう。韓国、日本いずれにも黄金の機会だ。

周辺情勢は熟している。洪南基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は8日、第6回対外経済安保戦略会議で「インド・太平洋経済フレームワーク(IPEF)参加に肯定的な方向で今後の計画を議論する」と明らかにした。

IPEFは米国がグローバル供給網と基盤施設、デジタル経済、新再生エネルギーなどの分野で中国依存度を下げるため、アジア太平洋地域の同盟・パートナーを統合して構築中の経済連帯だ。バイデン米大統領が昨年、東アジア首脳会議(EAS)で初めて提案した。

洪副首相の言及は、韓国が事実上IPEF参加に方向を変えたことを示唆する(これまではどっちつかずの態度だった)。

この機会を生かして韓国と日本は米国に経済と安保を頼るのではなく、米国が日韓連合に頼るようにしていく必要がある。北朝鮮の核の脅威に対する共同対処案が出る可能性もある。

これが新しい国家戦略でなければならない。

両国はこれ以上「垂直的分業」(=先進国が工業製品を生産し、途上国が原材料を生産して、それらを交換すること)を論じる関係ではない。

少なくとも「二度と日本に負けない(=文在寅発言)」のようなこっけいな19世紀式のスローガンを叫ぶ時ではない。(文化日報参照)

(無料メルマガ『キムチパワー』2022年4月23日号)

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