先日、任期最終盤の文在寅政権が強行的に成立させた、検察の権力を大幅に削ぐ「検捜完剥」法案。これにより尹錫悦(ユン・ソンヨル)新大統領が目標としていた文政権の不正追求が極めて困難となってしまうわけですが、韓国国民は事態をどのように受け止めているのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、同国最大発行部数を誇る朝鮮日報の記事を元に市民らの反応を紹介するとともに、文在寅政権の当法案を巡る動きがいかに卑劣なものであったかを余すことなく伝えています。

検捜完剥反対が6割を越えてるのに

朝鮮日報の社説をベースに今回は文政権のあくなき卑劣さをご紹介したい。

民主党の「検察捜査権完全剥奪」(検捜完剥=コムスワンバク)法案強行処理に反対する国民(首都圏居住有権者)が60%を超えていることが分かった。ケイスタットリサーチがソウル、仁川、京畿道地域の有権者を対象に行った世論調査で、民主党の検捜完剥強行について「十分な議論が必要な事案であるため、5月9日までの処理に反対する」と答えた人が全体の60.4%だった。

一方、「大統領任期内の処理に賛成する」という回答は34.1%にとどまった。また同法が国会を通過し閣議で議決された場合、廃止するかどうかを6.1地方選挙の際、国民投票に付して決定する案に62.2%が賛成し、32.1%が反対した。多くの国民が検捜完剥強行に反対し、可決の際は国民投票に付さなければならないという意思を明らかにしたのだ。

国民が検捜完剥に反対するのは、同法が文在寅と李在明・前京畿道(キョンギド)知事、民主党の一部の人物らの不正捜査を防ぐための「政権不正防弾法」であることを知っているからだ。

検察の選挙・公職者犯罪捜査権をなくせば得をするのは政治家と政権高官だ。犯罪被害を受けた一般国民は、捜査遅延などでむしろ救済を受けにくくなる。捜査と関連した検事の令状請求権を明文化した憲法趣旨にも反する。

しかも民主党は、検捜完剥法案を通過させるために、「偽装離党」や「会期割れ」など、あらゆる手を動員した。法の内容や手続きともに汚点だらけなのだ。このような法を尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期大統領が就任後、拒否権を行使できないように文在寅政府任期内に無理に可決し、公布までしようとするのだから、国民は認めることができない。

各界の抵抗も激しい。「憲法を考える弁護士会」などは市民1万人請求人団を募集し、憲法裁判所に憲法訴願を出すことにした。「社会正義を願う全国教授の会」も法案通過次第、違憲訴訟を起こす計画だ。一部の市民団体は、国家人権委員会に緊急救済措置を申請する陳情書を出した。大韓弁協などは検捜完剥を批判する「市民フィリバスター(無制限討論)」を展開しており、経実連(経済正義実践市民連合)などは検捜完剥に対する国民投票の実施を求める大統領府請願を出すことにした。

にもかかわらず民主党が同法を強行すれば、主権者である国民を無視する反民主政党であることを自ら宣言することになる。国民がこのような暴挙を犯せという意味で180もの多数議席を作ってやったとでも思っているのか。

文大統領も圧倒的な国民反対世論をよく知っているだろう。検捜完剥法案に拒否権を行使しなければ、自分の不正を覆い隠すために反民主的法案を公布し、国の根幹を覆した大統領という汚名を永遠に消すことはできないだろう。それでも文在寅はこの法案に対して拒否権を行使せず、公布するものとみられている。善人フレームを装いながらどこまで卑劣な奴なんだろう。「月にかわっておしおきよ」のセーラームーンが必要の時だ。

(無料メルマガ『キムチパワー』2022年5月4日号)

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