今回は、4月にリーマンショック以来の歴史的な下落を見せたアメリカのナスダック市場ですが、その中でのFAANGの現状とその下落要因について、お話をしたいと思います。

NASDAQ歴史的下落率

GAFAを中心にハイテク銘柄が多いナスダック市場ですが、4月のナスダック総合指数の月間下落率は13%強となり、月間ではリーマンショック以来の下落率という歴史的な数字となりました。

FAANGの1ヶ月の喪失額

要因はいくつかありますが、特に大きかったのは、最終日のアマゾンの大幅下落です。

29日に前日の決算発表の結果を受けて急落、1日で14%下落したのですが、時価総額で見ると1日で2062億ドル(約26兆8400億円)が吹き飛んだ計算になります。

この減少額は、2月にご紹介したメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の2513億ドルに次ぎ、史上2位の1日の時価総額損失額となりました。

実はこのアマゾンの前に、ネットフリックス株も4月20日に歴史的な下落を見せ、1日で35%下落しましたが、これは率で見るとアメリカ株式市場の中で18年ぶりの下落率で、時価総額ベースでは、昨年11月の最高値から比べると67%を失った計算になります。

アメリカではGAFAにネットフリックスまでを入れて「FAANG」という括りで見るほうが一般的と言って良いと思いますがこのFAANG、先月はアップル、グーグル、メタも下落して、アップルが月間9.7%、グーグルが17.9%、メタが9.8%それぞれ下落、FAANG5社全体の時価総額の合計が、たった一月で1兆ドル(約130兆円ですが、これは日本の国家予算よりも20兆円以上大きい金額です)、これだけの金額を1か月で喪失するという、過去最大の損害となりました。

様々な要因

要因としては巷で言われていることとして、一番にアメリカFRBの利上げ、その次がウクライナ危機やコロナによる世界規模で見た場合の需要減少。

その次には原材料やエネルギー、物流の高騰、そして、もちろん先行きの不透明感などがありますが、今大きく下がる株には、いわゆるグロース株が真っ先に下がる、という理由以外の、本質的に一定の法則があります。

何かというと、メインビジネスの頭打ち感、天井感、というもので、強力な競合の出現により、まずは市場が飽和状態となり、加えて、相対的優位性、独自優位性が失われてレッドオーシャンとなる中で、これ以上の売上拡大が見込めない状況となっていることです。

つまり、利上げだから、グロース株だから、という理由では無く、本業の稼ぎ力がなくなってきている、と言うことが株価下落の理由です。

2月のメタもTikTokや他のSNSの猛追でデイリーアクティブユーザー数が減少、ネットフリックスもアマゾンプライムなどの競合激化で有料会員が減少。

そしてあの独り勝ちと見られていたアマゾンも、7年ぶりの赤字転落よりも寧ろ、メインビジネスであるeコマース事業が、競争激化で明らかに頭打ちであることにあると思われ、まずはメインビジネスの利益確保の先行き安定感が最重要、その次には次世代ビジネスの実現度合いをどう読むか、というところが、たとえハイテク株であろうとも、中期的に重要な判断材料と思います。

株価を左右する重要なイベント

5月は、GWから株価を左右する重要なイベントがあります。

まずは4日(日本は5日)のFOMCで利上げ、そして6日には4月の雇用統計、あとは毎月初めのISM指数の発表などもあります。

FRBは利上げには強気で、景気も減退感が出てきつつある中で、市場全体は残念ながら厳しい方向にあるかも知れませんが、ナスダックの中でもプラス企業はあります。

4月単月でウォルマートが2.7%高、P&Gが5.1%高、ジョンソンエンドジョンソンが1.8%高、コカ・コーラが4.2%高と小売や消費財関連、そして、3月末にご紹介したエネルギー株でも、エクソンモービルが3.2%高など、上位20社の中でプラスとなった企業は7社もあります。

まだ諦めたくない方、一緒に頑張って行きましょう。

出典:メルマガ【今アメリカで起こっている話題を紹介】欧米ビジネス政治経済研究所

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