2020年9月に黄海上にて韓国人公務員を北朝鮮軍が射殺して焼却した事件。新政権となった韓国で本事件への動きがあったことを前回の記事でお伝えしましたが、今回は当時の文在寅元大統領の行動を示した文章をご紹介。無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者がその記事をもとに、文在寅の猟奇的な面について詳しく語っています。

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猟奇的な「あの方」

毎回黄海上での韓国公務員射殺焼却事件で恐縮だ。文在寅個人の「猟奇的」が如実に示された文章が朝鮮日報に出ていた。ご紹介したい。

文在寅前大統領は大統領選候補当時、セウォル号事故現場芳名録に「申し訳ない、ありがとう」と書いた。朴槿恵当時、大統領が弾劾された日だ。

多くの人が奇怪に感じた。普通の人は人の悲劇から感謝を求めない。その悲劇のために利益を得たとしても表現しない。廉恥のためだ。文在寅の心理には、それを超えるおかしなコードがある。

海洋水産部公務員の李デジュン氏が北朝鮮軍に殺害された時もそうだった。「大変申し訳ない」という金正恩の言葉が盛り込まれた北朝鮮通知文を受け取った日だ。加害者の謝罪は受け入れることができると思う。

しかし、大統領なら、真相究明と責任者処罰を要求してこそ正常だ。その代わり、文在寅は半月前に金正恩に送った自分の手紙を取り出した。叙勲安保室長を前面に出して、この手紙をカメラの前で読むようにした。

「金正恩の生命尊重に対する強い意志に敬意を表します」。金正恩が送った返事の内容も読んだ。「南の同胞たちの大切な健康と幸せがどうか守られることを切に祈ります」。国民の悲劇の前で加害者とブロマンスショー(ブロマンス=broもしくはbrother(兄弟)とromance(ロマンス)から。男性同士の近しい関係のこと)を行ったのだ。被害者家族の心情はどうだっただろうか。文在寅には考慮の対象ではなかったかもしれないけれど。

文在寅が事件に直接言及した時点は事件発生5日が過ぎてからだった。文元大統領は「特に金正恩委員長が大変申し訳ないと思うという意思を伝えたことを格別の意味で受け入れる」と述べた。被害者家族の了解も得ていない。

「だいたい、何の資格で格別に受け入れたのか」。「北朝鮮の最高指導者として直ちに謝罪したこと」「史上初めての非常に異例のこと」という注釈もつけた。

すると「今回の事件で最も残念なのは南北間軍事通信線が塞がっている現実」とし、軍事通信線の再稼動を北朝鮮に要請した。

私(記者)は彼(文在寅)のことがおかしくてならなかった。事件当時、南北政府は疎通が可能だったのだ。現場でも軍は国際商船通信網を利用して北朝鮮と通信していた。通信網が稼動していないのではなく、文在寅政府が稼動していなかったのだ。

行方不明になった李氏が北朝鮮で発見された事実を知りながら助けようとせず、北朝鮮軍が現場に射殺を命令した事実を知りながら止めろと言わなかった。これが事件の核心だ。

大統領が知らなかったはずがない。ところが、通信が途絶えて国民を救えなかったような言いまわしをしてしゃべった。そして「今回の悲劇が対話と協力の機会を作り南北関係を進展させる契機に反転することを期待する」とまで言ってのけた。

国民の死体も見つけられなかった状況で、大統領が乗り出して対話と協力、反戦の機会を懇願したというこんなばかげた話は聞いたこともない。

他人の不幸に無関心な人がいる。弾劾という結果のためにセウォル号犠牲者がありがたくなったように、自分に有利・不利に近づいてこそ関心を持って価値を置く。

同事件の報告を受けた後の2日間、文在寅は国連テレビ会議で北朝鮮との終戦宣言を主張し、軍将官に会って韓半島の平和を強調していた。

国家安全保障会議は安保室長に任せ、夫人と同伴でアカペラ公演を観覧した。彼はただ関心がなかったのだと思う。これまで政府は、北朝鮮の蛮行を隠し、殺害公務員の越北説フレームを敷いてきた。

このように無関心だった彼(文在寅)を興奮させたのは、北朝鮮から受け取った通信文だ。悲劇を北朝鮮のために活用できると判断したためだろう。半月前、恥ずかしい手紙を出して国民に朗読し金正恩の生命尊重を称賛した。

文在寅だけではない。海洋警察の捜査過程で心理専門家3人に1人だけがイ氏が「賭博中毒」という意見を出した。「精神的恐慌」と判断を下した専門家は7人に1人だった。船舶で一緒に生活した同僚10人全員が「越北の可能性はない」と断言した。

越北情況のある現場の傍受情報を海洋警察が接した可能性はある。しかし、極限状況で生きるために表現した意思は、事実と断定できるものではない。捜査の基本だ。

にもかかわらず、海洋警察は「李氏がインターネット賭博に深く没頭し、精神的恐慌状態から現実逃避の目的で越北したものと判断される」と発表した。

李氏の借金まで膨らませた。明白な捏造捜査だ。与党政治家も加わった。シン・ドングン議員は「越北を敢行すれば射殺することもある」と話した。ヤン・ヒャンジャ議員は「あえて越北ではないと言い張る理由が気になる」と話した。

今も禹相虎(ウ・サンホ)議員は、「民生が深刻なのに、こんなことが懸案なのか」と遺族を2度殺害するような暴言を吐いたかと思うと、薛勳(ソル・フン)議員は、「何でもないことなのに」とまで言った。自国民が北によって射殺され焼却までされているのになんで何でもないことなのか。

この事件で最も猟奇的な存在は北朝鮮だ。しかし、文在寅と海洋警察、政治家の行動からも、私はぞっとする猟奇性を感じる。

彼らは、自分の無能さを隠すために、秋の海に落ちてもがき、悲惨な死を遂げた大韓民国の8級公務員を容赦なく国の裏切り者に追い込んだ。

多くの人がこのような国家暴力を審判し、被害者を救済するよう大統領として尹錫悦を選んだのだろう。天の導きがあったことだけは確かだ。

(無料メルマガ『キムチパワー』2022年6月23日号)

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