「仕掛け絵本って知ってる?」と聞かれて「飛び出す絵本のこと?」と返すのは小生と同じ40代、50代の世代でしょうか…。

 

一般的には、絵本を開くと、立体的な造形が飛び出してくるかのように現れる仕掛けの絵本のことでございます。10年位前でしょうか、一度大ブームがございました。書店で売り切れ続出とニュースにもなっていたような記憶も…。その時のブームを牽引していたのが、ポップアップアーティスト、「紙の魔術師」こと、ロバート・サブダ様でございます。「不思議の国のアリス」、「オズの魔法使い」の作者様でございます。

不思議の国のアリス (とびだししかけえほん)
amazon.co.jpより
※出典 amazon

 

ちなみに、仕掛け絵本の歴史は1765年のロンドンの書店、ロバート・セイヤーが出した道化絵本が始まりだと言われております。その後、ヨーロッパで盛んに出版されました。20世紀に入ると、しかけ絵本製作の舞台はアメリカへと移っていき、現在人気なのがアメリカのロバート・サブダ様、マシュー・ラインハート様などでございます。

 

そんな仕掛け絵本は、基本的に「子どもだけでなく大人も楽しめる!」「大人も楽しめるクオリティ」。しかし、世の中には、大人だからこそ楽しめる、大人をターゲットにしたアート系仕掛け絵本でございます。

 

そこで、今後さらに広がるであろう「大人絵本」ブームに先駆けて、大人仕掛け絵本をご紹介させていただきます。「ナニ、こんな仕掛け絵本あるの!?」と思って頂ければ幸いでございます。

まずは、こちら。

 

ヴェルサイユの庭園 (のぞきからくり絵本)
amazon.co.jpより

 

『復刻版 ヴェルサイユの庭園』(企画編集:大日本絵画編集部)

こちらは、飛び出す絵本ではございません!通常の絵本のようにめくったりできません、開きません。6枚の絵(プレート)が蛇腹式になっており、アコーディオンの蛇腹のように絵本を広げることで素敵な世界が現れるのでございます。

 

実は,このような形のしかけは、1820年代につくられ、もてはやされていたとか。その頃のものを再現したのがこの絵本でございます。表紙に開けられた穴から覗き見ると、そこには、1830年代のフランス、ベヴェルサイユ庭園の中央をはしる大通りが広がっております。蛇腹によって作り出された遠近感と奥行きによって、その通りを行きかう人々、街の様子がまるで本物のように見えるのでございます。

 

ネットで検索すると、どんな感じになるのか出てくるはずでございます。

是非、一度手に取って体験して頂きたい絵本でございます。

 

ただ、問題がひとつございます。こちらの仕掛け絵本、どこでも売っている代物ではございません!図書館でも貸し出ししておりません。そこで、おススメしたいのがコチラ!

 

鎌倉にある仕掛け絵本専門店『メッゲンドルファー』でございます。たぶん、国内唯一の仕掛け絵本の専門店かと。これからのシーズン、海に遊びに行かれた帰り道などで寄られてみてはいかがでしょうか。鎌倉駅から徒歩10分でございます。

 

そして、もう一冊ご紹介したいのが駒形克己さんによる『Little tree』

こちらは、120%大人向け、この素晴らしさが理解できる子供がいたら…怖いです。お値段も7000円、大人価格でございます。

 

OZmagazine (オズマガジン) 2010-10-18 発売号 P38
Fujisan.co.jpより

 

ポップアップで立ち上がる木がページを進むごとに(季節と共に)成長していきます。葉を茂らせ、様々な色を付けて変化していきます。そして、…。短い言葉と一本の木が絵本を開く人に素敵な余韻を残してくれるアート作品でございます。

 

2010年ボローニャ国際児童図書展にてラガッツィ賞も受賞しております。値段を考えると自分で買うのはなかなか勇気がいりますが、これをプレゼントでもらって、喜ばない人はいないと思います。是非、プレゼントにも…。(文:NN昌)