コロナ禍による生活様式の変化によって、われわれ国民の糖尿病のリスクが高まっているといわれています。そのなかでも、糖尿病の診断検査で重要視される「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の値の悪化が医師たちの間で懸念されています。

日本生活習慣病予防協会が医師100名を対象に今年3月に実施した調査では、医師に「コロナ禍における健康診断・人間ドックを受診した患者の悪化した項目」を質問したところ、「HbA1c」と「BMI」(体格指数:肥満度)が共に55.0%で最多となりました。

「HbA1c」とは 血液中の赤血球を構成するタンパク質であるヘモグロビンが血中のブドウ糖と結びついたもの。健康診断や人間ドックの基本検査項目のひとつであり、血糖レベルを測って糖尿病のリスクを判別する基準の数値となります。

続けて、医師たちに「患者のHbA1c値が悪化した原因」として考えられるものを聞いたところ、1位が「運動不足になった」(76.0%)、2位が「じっとしている時間が増えた」(68.0%)、3位が「外出時間が減った」(66.0%)となり、コロナ禍による生活様式の変化が大きく影響していると推測されています。

これからは今まで以上に「HbA1c値」の重要性が増していきそうですが、一般生活者3000人を対象に「HbA1c計測について、糖尿病の検査方法であることを知っているか」と質問すると、6割以上(63.2%)が「知らなかった」と回答しました。

糖尿病は「七大生活習慣病」のひとつに数えられる国民病ですが、その検査において重要な「HbA1c値」の認知度は残念ながら低いようです。

「HbA1c値」が高いと、糖尿病だけでなく酸化ストレス、慢性炎症、細胞老化、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、認知症、がんのリスクも上昇すると指摘されています。また、肌荒れや老け顔など見た目にまで影響を及ぼす可能性を示した研究もあります。

では、どうやったら「HbA1c値」を改善することができるのでしょうか。

日本生活習慣病予防協会が今年6月に開催したセミナーによると、食事については「量ではなくカロリーを減らす」「主食に未精製穀類を取り入れる」「1日に野菜を4〜5皿(300

〜400g)、果物を1日1〜2回(200g)とる」「血糖値が上がりすぎないような食べ方をする」ことなどがポイントとして挙げられています。

また、運動については「少し息がはずむ運動を、1日20分(週に2.5時間)」ほど行うことが推奨されています。