駅や道ばたで外国人に行き先を尋ねられたときや、海外旅行中にすぐに伝えたいことがあったときなどに、言葉がスムーズに通じないことで、はがゆい思いをした経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

ポケット翻訳機は多数存在しますが、すでに着々と進化しており、完全ワイヤレスイヤホンをつけると翻訳音声を聴きながら対話ができるレベルのものも出てきているんです!

それは、AI翻訳機のグローバルメーカーTimekettle(タイムケトル)が手がける“音楽も聴けるイヤホン翻訳機”。今回は、タイムケトルの日本市場責任者である山内氏に、主にその新しい翻訳デバイスへの思いをインタビューしました。

■音楽も聴けるイヤホン翻訳機「Timekettle M2」とは?

Timekettle M2

AI翻訳機メーカーを多数手がけるタイムケトルの最新翻訳機「Timekettle M2(タイムケトル エムツー」は、翻訳機として使えるだけでなく、ワイヤレスイヤホンとして音楽を聴いたり通話したりもできる便利なデバイス。

何より驚きなのは、その翻訳機能のすごさ。

現時点で40種類、93言語の翻訳に対応しており、「タッチモード」「リッスンモード」「スピーカーモード」の3つの翻訳モードを状況に応じて使い分けられます。

「タッチモード」イメージ

「タッチモード」のイメージ

「タッチモード」は、例えば目の前に外国人がいたときに、その相手とお互いに片方ずつイヤホンを装着すれば、イヤホンタッチで双方向リアルタイム翻訳を行えるというもの。互いにしゃべりながら、双方向に翻訳音声が流れるので、自然な会話に近い会話が実現できます。

リッスンモード

「リッスンモード」のイメージ

「リッスンモード」は、リアル講義やオンライン動画のスピーチや講義などで、外国語を聴き取りたいときなどに使える“外国語聴きとり専用”モード。自分のスマホから相手の話を聴きとることで、スマホには文字が自動で起こされ、イヤホンには翻訳音声が流れます。うまくいけば、このコロナ禍で英語をオンライン動画で勉強するなんてシーンにも使えそう。ビジネスでは、英語の音源を起こすときや打ち合わせシーンなどでも重宝しそうです。

スピーカーモード

「スピーカーモード」のイメージ

3つめの「スピーカーモード」は、特に海外旅行中のとっさのシーンに役立つもの。相手にイヤホンをつけてもらう必要がないので、初対面の相手に伝えたいことがあるときに便利。例えば海外旅行中にタクシーに乗ったとき、アプリを開いて、日本語で「●●まで行ってください」としゃべると、スマホから外国語に翻訳された言葉が流れます。それをそのままタクシーの運転手さんに聞かせればOK。他にも道を尋ねる、料理を注文するなど簡単な質問や会話で使えます。

このように、Timekettle M2はこれまで「こんな翻訳ツールがあったらいいのに」という人々の思いにぐんと近づいているデバイスなんです。

実際、多くの人の支持を集めており、現在、クラウドファンディングサイト「Makuake」から申し込むことで購入できますが、すでに目標金額 500,000円を達成し、2020年11月20日時点で9,823,640円獲得しています。

●リアルタイム翻訳チャット機能「リモートモード」のbeta版が無料公開中

リモートモード

先ほどの3つのモードに加えて、現在、リアルタイム翻訳チャット機能「リモートモード」のbeta版が無料公開中。これは、タイムケトルの翻訳機「WT2 Plus」「Timekettle M2」のイヤホン音声入力のほか、手持ちのスマホからタイピング入力や音声入力で同時翻訳が可能なモード。製品を持っていなくとも、無料アプリをスマホにインストールすれば利用できますが、より効果を発揮するにはTimekettle製品を併用するといいそう。チャットグループの参加上限数は30名で 40言語の同時翻訳が可能とのこと。

コロナ禍で対面できない遠くの外国人の知人や親せきと、オンラインを通じて会話したい、というニーズに応えてくれます。

■他社製品との違いは?

Timekettle M2

ところでワイヤレスイヤホン×翻訳の有名メーカーはいくつかありますが、Timekettle M2はどんな違いがあるのか、一消費者としては気になるところ。

タイムケトル日本市場統括責任者の 山内佑太さんに聞いてみました。

「他社の翻訳機能は、M2のスピーカーモードと同じものが多いと解釈しています。M2は他にもタッチモードやリッスンモードなど状況に合わせたご利用ができます。また弊社は言語の組み合わせに応じて最適なエンジンを統合しているので、そこで自ずと差は生まれるかと思います」

Timekettle M2には、Google、Microsoft、iFlytek(中国のAI翻訳機トップ企業)、DeepL(今年注目の高精度翻訳エンジン)、AmiVoice (日本国内シェアNo.1の音声認識エンジン)、そしてタイムケトル社独自のエンジンと、複数搭載されています。

「また、タイムケトルは世界初のイヤホン翻訳機を開発したメーカーとして、ハンズフリーかつリアルタイム翻訳の流れるような会話体験にこだわった商品作りをしています」

■翻訳機を使いこなすには?

近年、どんどん性能が良くなってきている翻訳機ではありますが、まだまだ進化の過程にあり、万能ではないのも事実。山内さんは、翻訳機を使いこなすにあたり、使いやすさと性能の2つのポイントがあると話します。

「使いやすさに関して、最初はどうしても使用上の慣れが必要かと思います。それは、弊社プロダクトは今まで市場になかったようなタイプの翻訳機であること、そして機械翻訳は、例えば機械が翻訳しやすいように話すなど、人間の機械翻訳に対する理解があってこそ効果を発揮するものだからです。ただ、弊社にはユーザーサポートスタッフがおりますので、使用上のお困りの際はいつでもお問い合わせいただける体制を整えています。

性能に関しては、完璧とは言えませんが、日常生活で十分お使いいただけるレベルまで来ています。タイムケトル翻訳は、購入後もアプリのアップデートを通して機能改善を続けていきます」

翻訳機は、やはり実際に試してみるのが一番早いということで、現在、ガジェット体験ストアの「b8ta Tokyo – Yurakucho(ベータトウキョウ 有楽町)」で体験できます。またガジェットレンタルサービス「Rentio」でレンタルすることができるようになったので、気になる人はぜひ試してみましょう。

■翻訳精度の目覚ましい進化。タイムケトル参画の思いとは?

Timekettle M2タッチモード

デモ動画に出演する山内さん(左)

ところで、タイムケトルには、2017年に開発されたイヤホン翻訳機の第一弾「WT2Plus」があります。その開発段階に触れたことのある山内さんによると、その進化は目覚ましいものだったといいます。

山内さんは開発途上のWT2Plusを初めて試したとき「全然翻訳が正しくない。こんなモノ使い物にならないと思った」といいます。しかし後日、開発が進められた後で、再度試してみたら翻訳精度が確実に向上していたことで、感銘を受けたそう。

「当時の『翻訳精度が確実に向上した』というのは、私の素人目線での変化です。今振り返ると『翻訳エンジンの入れ替え』や『アプリ使い心地(バグが減り、操作が滑らか)』という点が変化の背景だったと思います。私が初めてWT2Plusを試した2018年11月は、まだ日本市場販売開始前でしたが、当時は『アプリ画面を見ないと、相手が何を言っているのかわからない』ような精度でした。その半年後に試したときは、イヤホンをつけた状態で相手がしゃべっている内容がある程度わかるようになっていました。

そして初テストから2年経った今、DeepLというエンジンを搭載したM2のデモ版を試してみて、『これなら万人にお使いいただけるものだ』と感動するレベルでした。今までの弊社翻訳機の成長を体験してきたものとして、ここまで来たのは感慨深いものです」

山内さんがタイムケトルのプロジェクトに参加しよう、日本に広めようと思ったのはどうしてなのでしょうか?

「最初は『なんとなく面白そうだから』でタイムケトルに参加しました。と言っても一番最初はボランティア参加でした。中国・深センはハードウェアスタートアップの聖地だと聞いていたので、自分にとって良い体験になるなぁ、ぐらいの感覚で。ただ、その数ヶ月のボランティア期間で、会社や商品の成長・可能性を大きく感じたことで、正式入社としてコミットすることになりました」

山内さん自身、もともと「翻訳機の使い手」であることも、コミットした背景として大きいようです。

「私は中学生の頃から英語教員を目指し、大学では海外留学に行き、新卒で社長秘書として通訳翻訳業務に従事していたので、語学やコミュニケーションには色々な経験や想いがあります。語学を話せなければ実感しづらい外の世界に対して、タイムケトル翻訳機は人の夢や可能性を拡げてくれるものだと感じ、私は日本人として日本の人たちの役に立ちたい一心で会社を代表してプロダクトやメッセージを届けています」

ちなみに山内さんは、「Makuake」のページで「夢・目標」があると言い、次のようにつづっています。

「僕の彼女が台湾人なのですが、いつか、外国語が全くできず海外旅行も行ったことがない僕の両親を台湾に連れて行き、翻訳機を使って、彼女や彼女の両親と会話してもらうことです」

今はさまざまなデバイスがあふれ、便利な翻訳機も多数ありますが、重要なのは、それを活用することで、どんな夢や思いが日常で実現するかどうか、というところにあるのではないでしょうか。そのことを感じさせられたエピソードでした。

同じような思いや夢を抱えている人は、ぜひ一度体験からはじめてみるのもいいのではないでしょうか。

 

 

【取材協力】

山内佑太さん
Shenzhen Timekettle Technologies Co.,Ltd 日本市場責任者
海外生活、英語科教職課程、通訳翻訳業務を通じて語学習得の大変さを感じる中、同社に出会う。翻訳機の可能性を日本に広げるため同社に参加、現職に至る。2020年にはタイムケトル・ジャパン株式会社を設立、代表取締役に就任。

Timekettle(タイムケトル)公式サイト(https://timekettle.jp)

Makuakeプロジェクトページ(https://www.makuake.com/project/timekettle-m2/)