婚活市場で一番モテるのは…?

『五等分の花嫁』は、高校生の上杉風太郎が同級生で五つ子の家庭教師をすることになり、勉強が苦手な彼女たちを無事卒業させるため奮闘するうちに恋が芽生えて大波乱となる、ラブコメディ作品です。

 マンガ単行本の累計発行部数は、2022年3月時で1600万部を突破。2022年5月20日から公開された映画『五等分の花嫁』は、公開から3日間の累計興行収入が約3億9000万円、観客動員は約29万人を記録するヒットとなりました。

 映画『五等分の花嫁』では、「主人公の風太郎が五つ子のうちの誰と結婚するか」というのが最大の見どころです。5人の間で揺れ動いた風太郎も、ひとり、愛する人を選んで結婚しました。「結婚」「婚活」という点で見ると、五つ子たちはどのようなパートナーと出会い、愛を育むのが幸せなのでしょう?

 そこで今回は、東京都港区の結婚相談所「ロクレオ」のアドバイザー・横山仁さんに、五つ子たちそれぞれが「婚活するなら?」という仮定でお話をうかがいました。さらに、「婚活市場では5人のうち誰が1番モテるのか?」という大胆予想もしていただきました!

「ロクレオ」は、日本結婚相談所連盟IBJに加盟している結婚相談所で、全国約7万人の会員からの紹介および、自社会員へのアドバイスなどを行っています。

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――今回、結婚までを描いた映画が大ヒットということで、五つ子の「婚活」について、結婚相談所のアドバイザーの目を通してお話しいただければと思います。「性格は違うけれど顔はそっくりな五つ子」が相手という、かなり特殊な設定ではありますが、実際の婚活市場では、この五つ子、どう思われますか?

横山さん(以下、敬称略) 5人のプロフィールをざっと見たところ、結婚相談所での婚活でもプライベートでも一番うまくいきそうなのは、三女の三玖(みく)だと思います。彼女は自分のスタイルやスタンスを持っていますが、好きになった相手に合わせて、それを変えて、相手を思いやることができる人なので。そういう人のほうが、結婚だけでなく、その先も、うまくいくものなんです。ただ、内面的な魅力は気づいてもらえるまでに、どうしても時間がかかりますが……。

――第一印象ではどうでしょう? 誰がモテそうですか?

横山 パッと見た目の印象では、一花と二乃が好かれそうですね。

――なるほど。ではひとりずつ、うかがっていきましょう。長女の一花は、お姉さんタイプでしっかり者ですが、逆に言えば、甘え方を知らず、強がってしまうことがほかの4人より多いと言えます。女優になるという夢を持って頑張っています。

横山 一花タイプは、自分のことを相手に分かってもらえるまでに時間がかかりそうですね。しっかり者ということは、弱い面などは隠そうとするでしょう。そうすると、相手へのガードが固くなってしまいがちです。婚活では、自分のことを分かってもらうことが大切ですし、それと同様に、いかに自分が相手に興味を持てるかも大切なんです。

――相手への興味ですか?

横山 はい。3〜4年前からの傾向としてですが、女性会員さんは、結婚後も自分のスタンスや生活スタイルなどを変えたくないという人が増えました。そして、結婚相談所なら、自分のスタイルを変えないことを条件に明示できるから……と考えられるようです。でも、それでは実際にはなかなかうまく進みません。自分の条件を押しつけるだけでは、相手の気持ちが置き去りになってしまうからです。相手に興味を持つことでお互いの理解も深まりますし、その上で条件だけに固執せず、考えやスタイルを変えていくことも大切です。

――一花のような女性に惹かれる男性には、どんなアドバイスをしますか?

横山 こういうタイプの方との関係では、全部を真っ向から受け止めるより、ある程度受け流すようにした方がいいです。あまり真剣に受け止めすぎると、時にはケンカに発展する可能性がありますので、その点を意識すると良いと思います。

五つ子のなかでも内気な三女、三玖が描かれる『五等分の花嫁』第4巻(講談社)

二乃と三玖の場合は……自分の行動を変えることが大切に?

――続いて次女の二乃は、ひとことで言えばツンデレです。少々、面倒な子ではありますが、繊細で姉妹想いでもあります。

横山 実は、うちの会員さんで、この二乃みたいなタイプの方がいらっしゃいました。とてもかわいいですが、いわゆるツンデレな方でした。何人かとお見合いしていくなかで、ある時から、彼女は自分で自分の殻を破って、変わったんです。

――どんな風に変わったんですか?

横山 それまでは、何をするにも「自分」が主軸でした。どこに行きたい、何を買いたいというのも全部、自分のスタンスだったんです。それがある時から変わったんです。私が何かアドバイスしたわけでもないですし、誰かに何かを言われたわけでもなく、彼女自身の気づきでした。相手に興味を持って、相手に合わせた行動もするように変わり、良い方との出会いもあってご結婚されたんです。今ではお子さんも生まれて、毎年、年賀状をくださいます。

――二乃は女子力も高いのですが、ポイントになりますか?

横山 なります! 婚活市場において、女子力はもちろんポイントが高いです。できないよりできた方がいいですし、そういう点を重視する男性はまだまだ多いです。

――続いて、三女の三玖です。彼女は内気で、自分の意見がなかなか言えない子です。でも、この子がきっかけになって、五つ子がみな勉強するようになりました。物語が進むなかで、どんどん表情が豊かになって、変わっていったのは彼女です。

横山 三玖は、伸びしろに非常に期待したい女性です。これからの人。内気で口数が少ないとなると、性格などをすぐに理解するのは難しいけれど、何度も会って、時間をかけて内面的なものを理解してもらえると、最終的には幸せをつかむタイプだと思います。

――お互いを知るためには、どんなデートがお勧めですか?

横山 結婚相談所の場合は、だいたい最初はお茶、次はお食事、人によっては飲みに行ったりされることもあるようです。大切なのはその先で、「どこかに出かける」のが大事と言えます。買い物やレジャースポットに行って楽しむのもいいですが、私のお勧めはドライブです。ドライブで車に乗っている間は、食事や買い物よりも、相手のことに集中できます。

 行き先は、自然の多い静かな場所がいいでしょうね。遊園地などレジャースポットだと、会話をしていても話が飛んでしまったりしますから。会ってしゃべる時間を長くできる方が、自然に相手をよりよく知ることができます。

――自分をなかなか出せない人こそ、一緒にいる時間をつくるということですね?

横山 はい。一緒にいたいと思うようになれば、自然と次はどこに行きたいかなど、相手のこともより思いやれるようになります。無理やり相手に自分を分かってもらおうとするのではなく、「もう少しお話ししたいんで……」と、時間を取ることですね。今の結婚相談所は、出会いのきっかけであり、出会ってからは恋愛の要素が強くなっています。だから、時間をかけて分かりあうことを楽しめるカップルは、その後もうまくいくことが多いです。

五つ子の末っ子、五月が表紙に描かれる、マンガ『五等分の花嫁』11巻(講談社)

四葉と五月の場合 大切なのは「分かり合う時間」?

――四葉はスポーツが得意な明るい女の子です。でも、過去のことに罪悪感を持っているため、自分のことより他の姉妹を優先し、自分を後回しにしがちなところがあります。

横山 この方の場合も次女の二乃と一緒で、どこかで自分の殻を破らないと話が進まないタイプです。自分らしさを大切にしつつも、自分の殻を破って意識が変わると、そこからやっと本音が出てきます。私の仕事としては、本音が出れば相性が良さそうな方をご紹介できますし、お付き合いも順調に進むのではと思います。

――四葉はクラスや部活などの盛り上げ役として人気や人望もありそうです。ただ、それが恋愛には結びつかない感じがします。

横山 明るいけれど、すごく人に気を使っちゃうタイプなんですよね? 他人のことを大切にするのは、とても良いことですが、自分はこうなんだと相手に伝えたり、分かってもらう努力をすることは、婚活だけでなく生きていくなかでも必要です。

――自分に自信が持てないという人も結構いますね。

横山 結婚相談所の会員の方でも自分に自信が持てなくて、どう申し込んでいいのか、どんな方にOKしていいのか分からない……と、迷走してしまう方もいらっしゃいます。そういう方には、「まずは会ってみましょう!」とお声がけしています。頭の中でグルグル悩んで心配しているより、会ってしまったほうがよっぽど早いんです。

 会ってみて話が盛りあがらないとか、そのお相手の前では自分の素を出せないということであれば、それはお付き合いをやめて、また別の方とお会いしてみればいいと思います。考えすぎて行動にストップをかけないほうがいいです。

――四葉みたいなタイプには、どんな男性がマッチしそうですか?

横山 最近、年上か年下かと、年齢を気にする人はほとんどいません。四葉タイプの女性には、よく言われますが包容力がある、理解力のある男性がいいと思います。彼女は明るいからといって、能天気なわけでもないし、ただのお調子者でもありません。だから彼女の言動を否定することなく、穏やかにお付き合いできる男性がいいかと思います。デートも落ち着いた場所を選んで、しっかり会話ができる場所を選んだほうがいいですね。

――最後に五女の五月です。彼女は真面目で、教師を目指していて、自分の将来についてもしっかりした考えを持っています。ただ、良くも悪くも天然です。

横山 天然というところは、逆に言えば、包み隠さず、最初から自分の素の顔を出してくれるということですから、そういうところに魅力を感じる男性もいらっしゃいます。結婚相談所では、どうしても最初は自分のマイナス面は隠していることが多く、こういう五月みたいな素直さは貴重だとも言えるでしょう。

――気遣いできないと思われないでしょうか?

横山 天然が行き過ぎると感じるところがあれば、頭ごなしに言うのではなく、付き合いのなかで話し合って変えていける要素だと思います。そういう話し合いもできないのでは、結婚にはたどり着けません。素直で分かりやすい女性なので、お互いを理解し合うのにも時間がかからず、成婚までは早そうですね。

――では、最後に『五等分の花嫁』から見る「結婚」「婚活」のポイントをお願いします。

横山 相手を理解していくことや自分の行動を変えていくことは、とてもエネルギーを使うものです。それでも、好きな人、興味を持った相手ができたら、自分の良いところを出しながら、自分を変えていくのがいい。そして、一番大切なのは、お互いを分かり合う「時間」です。会って、話して、自分のことを伝える、相手のことを知る……という、分かり合うための時間を持つことです。

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 一花、二乃、三玖、四葉、五月の五つ子全員が個性的でかわいすぎて、「推しが選べない」と嘆く人もいると聞く『五等分の花嫁』。作品のなかでも婚活市場でも、好きになった相手を思っての行動変容が大きなカギになるという点は共通なのだと、改めて感じさせられます。