昭和世代を超えた新世代のウルトラマンたち

 先日2022年9月9日にNHK・BSプレミアムで放送された『発表!』。みなさんはご覧になられましたか? ウルトラヒーロー、ウルトラ怪獣、ウルトラメカの3つのカテゴリーに355,563票も送られて、それぞれの順位が発表されました。

※以降は放送内容に関するネタバレが含まれています。ご注意ください。

 一般投票だけの純粋な人気がわかるということで、筆者もワクワクしながら生放送を見ていましたが、随所に予想外のものがランクしていておどろきました。定番と思われるものは順調にランクインしていましたが、時にはよもやのキャラも登場して、番組は終始楽しめたと思います。

 それでは順番にランクインしたものをご紹介していきましょう。まずは「ウルトラヒーロー部門」です。

 1位は「ウルトラマンティガ」でした。筆者世代からすると、まだ平成で最近のウルトラマンという印象でしたが、すでに26年前の作品だと思うと、ウルトラシリーズの歴史の半分くらいには到達しているんですよね。あらためて歴史のある作品だと思いました。今ではウルトラの定番となったタイプチェンジを初めて導入し、宇宙人ではなく古代の戦士という要素の導入で新世代のウルトラマンの基礎となった作品です。

 今回の投票者の世代別の割合が発表された時、40代があまりいなかったことがわかりました。それはウルトラマンが現役のヒーローとしてTVで活躍しなかった80年代から90年代中期の子供たちの世代です。そのウルトラ氷河期のような時代に、新しい光をもたらしたのがティガだったのですから、30代以降のファンには「もうひとりのはじまりのウルトラマン」というイメージが強いのかもしれません。

 番組ではVTR出演でティガに変身する主人公ダイゴ役の長野博さんも登場。数々の番組内でのダイゴの活躍シーンも放送されています。あらためてダイゴはヒーローだったんだと思いました。やはりカッコいいです。

 今回の番組放送前、筆者の予想では1位は「ウルトラマン」か「ウルトラセブン」、そこにティガがどれくらい食い込むかと考えていました。しかし、ふたを開けたらこの結果。もちろん30代から下のティガ世代の猛プッシュはあったのでしょうが、それよりも高い年齢層からの支持も多く集まったのでしょう。

 ちなみに21世紀以降のウルトラマンでもっとも票を集めると思った「ウルトラマンゼロ」は4位で、筆者的には1,2位を争うと思っていたウルトラマンを5位に抑えての入賞ですから、大躍進と言えるかもしれません。自分の名前がそのままタイトルになった番組がないにもかかわらず、この人気を維持しているところは昭和の頃のゾフィーを彷彿とさせます。

 そのゾフィーは19位でしたが、ウルトラマンジャックが13位、ウルトラマンAが11位、ウルトラマンタロウが9位、ウルトラマンレオが14位と、筆者の世代である第2期ウルトラの主人公は、番組で紹介される順位で良かったと思いました。

『ウルトラマンオーブ』に登場した「ジャグラス ジャグラー」の順位に、多くの視聴者が驚いた。画像は「S.H.Figuarts ジャグラス ジャグラー」(BANDAI SPIRITS)

「ゼットン」「バルタン星人」ら人気怪獣に割って入った、衝撃のキャラクター

 続いては「ウルトラ怪獣部門」です。

 1位はウルトラマンを倒した「ゼットン」でした。おそらく大多数の人も予想していた怪獣です。筆者も予想した怪獣の一体でした。やはりデザインと実績が半端ない。無表情で圧が強い。怪獣のベスト1に選ばれても大方の人が納得する怪獣です。

 この他、3位が「バルタン星人(初代)」、4位は「ゴモラ」、5位が「キングジョー」と、第1期ウルトラシリーズの人気怪獣が軒並み上位に入っていました。このベスト10のなかには第2期からのランクインはなく、人気怪獣の層の厚さを感じます。

 そのなかでティガの最後の敵となった「ガタノゾーア」が9位にランクイン。ここでもティガ人気が立証されています。さらに初の悪のウルトラマン「ウルトラマンベリアル」が6位にランクインしました。ライバルであるゼロがヒーロー部門4位ですから一歩及ばずという感じでしょうか?

 そして、この番組で最大の番狂わせだったのが怪獣部門2位の「ジャグラス ジャグラー」です。筆者も見ていて驚きの叫び声が出ました。夜中なのに近所迷惑です。

 ジャグラス ジャグラーの人気は当然わかっていたのですが、ここまで票が集まるとは思いませんでした。それと同時に演技者である青柳尊哉さんの魅力がここまでの順位を生んだと思います。しかし、ジャグラス ジャグラーは怪獣というより「ウルトラ役者部門」かとも思いました。もちろん、そんなジャンルがあればジャグラス ジャグラーの1位は間違いないでしょう。ちなみにライバルである「ウルトラマンオーブ」はヒーロー部門7位ですから、番組外で一矢報いた感じでしょうか?

 最後に「ウルトラメカ部門」。

 1位だったのは「特空機1号 セブンガー」。誰もが1位予想しただろう「ウルトラホーク1号」を2位に抑えての1位は、まさに下克上と言うにふさわしい成績です。これだけの高成績ですと、新規でセブンガーの商品が出るのではないか?と思えるくらい。もともとは1話限りのゲスト怪獣だった頃と比べると大出世だと言えるでしょう。

 特筆するのはメカ部門での『ウルトラマンZ』の他の特空機たちの順位です。5位「特空機3号 キングジョー ストレイジカスタム」、13位「特空機4号 ウルトロイドゼロ」と、ベスト20に3機もランクインしていました。ベスト20に1機もランクインできないチームも多いことから、好成績と言えるかもしれません。

 実はヒーロー部門でも「ウルトラマンゼット」が3位にランクインしています。怪獣部門2位のジャグラス ジャグラーも『Z』ではヘビクラ隊長としてレギュラー出演していますので、各部門合計した『Z』の集票率は『ウルトラセブン』と並んで、トップを争うほどかもしれません。

 以上が各ランキングの結果です。結果的に、最近もっともファンの間で話題になった『Z』の人気の高さが証明された番組でした。「たられば」は言っても仕方ありませんが、こうなるとニュージェネレーションで『Z』だけ劇場版作品が制作されなかったことが惜しまれます。今からでも劇場版『Z』とか製作されないものでしょうか? ……そんなことを思う筆者でした。