トンパが結構すごかった?

『HUNTER×HUNTER』の始まりの物語「ハンター試験編」は、試験会場にたどり着ける人数すら1万分の1というかなりレベルの高い試験です。冒険のドキドキ感が最高、と読者の間でも屈指の人気を誇るエピソードとなっています。試験内容は毎年バラバラでどんな試験に当たるかは運次第。

 合格者なしの年もあるほど狭き門であるハンター試験に36回も出場を果たしていた人物がいました。それが「新人つぶし」とも呼ばれるトンパでした。この記事では、トンパのゴキブリ並みのしぶとさを「ハンター試験編」の恐ろしさとともに振り返ります。

 まず、作中で詳細が描かれたハンター試験は2回。一度目はゴンやキルア、クラピカたちが初めて参加した試験で、「試験官について行く」「美食ハンターふたりを満足させる」「72時間以内に下まで降りてくる」「ナンバープレートを集める」「負け残りのトーナメント」の5つの試験内容でした。2度目は「2時間以内に5人倒す」というものでしたが、キルアが参加者をすべて倒したことで、1発合格に。トンパもキルアに倒された参加者のひとりでした。

 そもそもハンター試験は毎年ランダムで内容が変わります。対策のしようがないにも関わらず、トンパは「試験官について行く」第1次の試験の途中で通った、ヌメーレ湿原(別名:詐欺師のねぐら)をやすやすとクリアしていたようです。絵柄がコミカルな割に、殺傷能力の高そうな「キリヒトノセガメ」や、「ホラガラス」などの生き物が描かれており、「エグい生き物が多すぎないか?」をいう声もあがっているヌメーレ湿原。引き際を心得ているところや、危険を察知する能力が、トンパの高くない戦闘能力を補い、36回もの出場につながっているのかもしれません。

 また、余計なプライドのなさや、適度な狡猾(こうかつ)さも功を奏しているのでしょう。「72時間以内に下まで降りてくる」第2次の試験では、命を賭けたデスマッチでスタートと同時に降参し、レオリオに胸倉をつかまれました。「戦えよ!」と感じた読者もいたかもしれませんが、戦ったところでトンパの勝利は絶望的でした。無駄な時間を消費せずに済んだので、結果的にトンパのプライドのなさにゴンたちが助けられた、ともとれるのです。

 筆記重視の年もあれば、命をかけた試験が行われることもあるハンター試験。いくら、ハンターになる気はないと言っても36回の出場は、ただ「運が良かった」だけでは説明できません。途中退場しているとはいえ、五体満足で出場し続けられているトンパは、あまり認めたくないですが、「すごいやつ」なのかもしれません。