逃げ出したくなるほどのトラウマシーンがやばかった!

『HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)』のなかでも、特に人気の高い「キメラアント編」は、感動的なストーリーも魅力のひとつです。しかし、「感動」とは裏腹に、ストーリーの重さでも作中トップクラスとして読者の間で有名です。この記事では、「キメラアント編」で読者の記憶に強烈にこびりついた絶望シーンを振り返ります。

 まず、登場してまもなく、ジンの一番弟子であるカイトが亡くなってしまうシーンはあまりのあっけなさに愕然とした読者が多かったのではないでしょうか。このシーンはキメラアントの王直属護衛隊のネフェルピトーと初めて対峙したときであり、ゴンたちにとって絶望の始まりでもありました。

 ゴンとキルアをはるかに上回る戦闘力を持つはずのカイトの腕が一瞬にしてちぎれた描写、そしてネフェルピトーから感じ取った圧。たった2ページからネフェルピトーの異常な強さがひしひしと伝わってきます。

 このとき、キルアは「カイトひとりだったらこんなことにならなかった」と考えたようです。しかし、仮にカイトが万全の状態であっても、あのときのネフェルピトーにタイマンで挑んだところで結果は同じだったでしょう。

 次に絶望感をおぼえたのは、キメラアントの王・メルエムの誕生ではないでしょうか。自身の母の腹を突き破り誕生したシーンに、動揺を隠せなかった人も多かったはずです。「ついに誕生してしまった……」という絶望感とともに「なんだこいつは!?」と衝撃を受けるシーンです。生まれながらに持った抜群の戦闘センスや学習力の高さで、生まれて数時間もしないうちに念能力を習得してしまった様子に王たるゆえんを感じさせます。

 最後は、ハンター協会会長のネテロの死です。これまで作中で「最強」と言えばネテロだったこともあり、「最強と呼ばれたネテロが死ぬなんて……」と、読者の間に衝撃が走りました。絶体絶命な雰囲気を打ち消して勝つのが「少年マンガ」の常ですが、冨樫先生はひと味違いました。ネテロが持ち得る最高の技ですら、メルエムに勝ることができなかったときのネテロの絶望感は、きっと誰にも計り知れないでしょう。ネテロの命と引き換えに発動した「貧者の薔薇」によって、結果的に人類の勝利に終わりましたが、人間の底知れない悪意(進化)によって生かされる、なんとも後味の悪い結末でした。

 ほかにも、生きた人間を団子状にして女王に差し出されていた「肉団子」は、そのページを思い出しただけで背筋がゾクッとするほどのおどろおどろしさが表現されています。また、ノヴの劇的すぎる変化や、生きたまま脳を解剖されたポックルのシーンも忘れられないトラウマシーンだったのではないでしょうか?