最高峰の頭脳戦からのあっけない幕引き

 マンガやアニメの「推しキャラ」の死は、ファンにとって心にぽっかり穴の空いたような衝撃を与えます。今回は、「週刊少年ジャンプ」の作品で、まさかの退場で読者を驚かせた人気キャラ3名を振り返ります。

※この記事では『DEATH NOTE』『チェンソーマン』『呪術廻戦』のネタバレに触れています。

●『DEATH NOTE』L

『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ 作画:小畑健)は、少年マンガの王道ストーリーとは違うダークでシリアスに描かれる心理戦がみどころで、「ノートに名前を書かれた人間が死ぬ」設定をもとにした頭脳バトルに注目が集まりました。

 同作は、刑事部長の父を持つエリート学生で主人公の夜神月が、死神が使う「デスノート」を偶然拾うところから始まります。ノートの力に魅了された彼は、父親譲りの強い正義感を捻じ曲げ「新世界の神になる」と宣言し、世界を変えるためにノートで次々と犯罪者を殺害していきます。

 そんな月の最大のライバルとして描かれるLは、天才的な頭脳を持つ世界一の名探偵です。インターポールの切り札として、謎の連続不審死の真相を解明するために呼び出されたLは、神がかった推理力で次第に月を追い詰めていきます。Lはその巧みな推理力だけでなく、猫背な見た目に反してカポエイラを習得しテニスも上手いという文武両道の超人でした。

 そんな天才同士の白熱した頭脳戦を繰り広げたふたりでしたが、月の策略により、第58話でついにLはデスノートに本名を書かれます。死の間際にLは月の表情を見て、彼が犯人であるという自身の推理に確信を持ちながらも息を引き取りました。そして、物語は5年後の第2章へ向かいます。

 Lのまさかの途中退場に、「途方に暮れてしまった」「Lが月を止める結末になるとおもってた」「あの時はもう月を捕まえるのムリじゃんって思ったな」など、当時衝撃を受けた読者たちは多かったようです。ちなみに実写版の2部作では、原作とは違う展開、そしてある作戦により、L(演:松山ケンイチ)は月(演:藤原竜也)よりも少しだけ長く生き延びることとなりました。

●『呪術廻戦』七海建人

『呪術廻戦』(作:芥見下々)は劇場版アニメでも成功を収め、現在もジャンプで載中の人気マンガです。

 ずば抜けた身体能力以外は普通の高校生だった主人公の虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)は、学校でとある呪物の封印が解かれた事件をきっかけに、「呪いの王」と称される両面宿儺(りょうめんすくな)を身に宿すことになってしまいます。そんな虎杖は、呪術界から危険視され即時処刑命令が下されるも、現代最強の呪術師である五条悟の助けによって延命措置を受け、呪術を教える「呪術高専」へ入学することになりました。

 そんな虎杖は課外授業の一環として街に潜む「呪い」と戦う任務を行うなかで、1級術師で「ナナミン」の愛称で親しまれる七海建人に出会います。彼は友人の死をきっかけに一度は呪術師を辞めていたものの、やりがいや誰かに必要とされることを求め再び呪術の世界に戻り、五条の頼みで虎杖とともに行動することになりました。

 そんな彼は、「渋谷事変」で強敵「漏瑚」に半身を焼かれて瀕死の状態に陥ります。それでも戦い続けた七海ですが、第120話で宿敵である特級呪霊の真人の手にかかり最期を迎えました。

 固すぎるくらいに真面目で、時折見せる仲間想いな熱い一面とのギャップも魅力だった彼の切ない退場には「虚無感がすごい」「死体の状態もエグすぎる」「虎杖に『後は頼みます』って最期に言う場面で涙腺壊れた」などと、ショックを隠せないファンの声が多くあがりました。

あっさり? 涙も追いつかない突然の退場キャラ

●『チェンソーマン』パワー

TVアニメ『チェンソーマン』キービジュアル (C)藤本タツキ/集英社・MAPPA

『チェンソーマン』(作:藤本タツキ)は、2018年から2020年まで「週刊少年ジャンプ」で第一部、現在は「少年ジャンプ+」にて第二部が連載中です。

 主人公のデンジは亡き親の借金を返すために、チェーンソーの悪魔ポチタとともにヤクザから悪魔討伐の依頼を受けながら生活していました。ある日ヤクザに取り憑いた悪魔に殺されてしまった彼はポチタの提案で悪魔の契約を交わし、悪魔からも恐れられる強さを持つ悪魔「チェンソーマン」へと変身します。

 生きながらえたデンジは、マキマという公安の女性と出会い、彼女に誘われるままデビルハンターとして生きていくことになりました。その後、デンジが出会うパワーは「血の悪魔」が人間の女性に憑依した魔人で、かわいらしいルックスとは裏腹に独特な喋り口調と破天荒っぷりが人気のキャラクターです。魔人でありながらも理性が強く、殺人衝動を抑えられたためにデンジのバディとして選ばれます。

 デンジとともに悪魔と戦ってきた彼女ですが、原作第81話で先述のマキマの策略によって突然殺されてしまいました。マキマの好意的な振る舞いは、すべてデンジ(=チェンソーマン)の力を利用したいがための罠だったのです。マキマはいったんデンジに幸せな生活を与え、その上で彼の大事な存在となった早川アキ(デンジの手で殺害)やパワーの死を見せつけ、絶望させてポチタとの契約を壊そうとしていました。

 その後、心を壊して瀕死のデンジを救うために、パワーはポチタの力を借りて復活を遂げますが、マキマに阻まれ再び絶体絶命の危機に陥ります。そしてパワーは「初めての友達」であるデンジを生き延びさせる決意をし、彼に自らの血を渡して消えていきました。

 人気投票で1位を獲得したこともあるパワーの突然かつ残酷な退場に、「えっ、これで退場?ってなった」「デンジがドアを開ける形でマキマさんのパワー殺害に手を貸すのがエグい」など、ショックを隠せない読者も多かったようです。