しんのすけの優しさにホロリ…

『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけといえばいつも周りを振り回しているイメージがありますが、その反面、優しい心の持ち主でもあります。

 たとえば名作と名高いアニメのエピソード「オラの心はエリートだゾ」では、風間くんがしんのすけに酷い態度を取ってしまう展開に。実際は同じ塾に通うエリート志向の友達の前で見栄を張っただけなのですが、その翌日風間くんはテストに失敗したうえ皆の前でウンチを漏らしてしまいます。

 失態を目の当たりにした塾の友達はあっさり風間くんを見捨てるものの、逆に彼を救ってくれたのがみさえとしんのすけ親子でした。アニメ版ではカットされていますが、原作のラストは風間くんのセリフでこう締めくくられています。「ボクのともだちは心がエリートです」と――。

 またネネちゃんの切ない心情を描いた「さよならファイヤー! だゾ」でも、しんのすけの優しさは健在です。このエピソードでは、ネネちゃんの大好きな教育実習生・椎造先生がいよいよ幼稚園を去ることに。「今日は涙はなしだ!」と語る椎造先生のために明るく振る舞うネネちゃんでしたが、本当は悲しい気持ちでいっぱい。椎造先生が幼稚園を去った後、人知れず涙を流すネネちゃんにしんのすけだけが気付きます。

 そしてネネちゃんの頭にそっと手を置き、ヨシヨシ……。最後はネネちゃんが涙ながらに「ありがと」と呟き、物語は幕を下ろすのです。

 一方「遠足のおやつを買うゾ」では、マサオくんのために“男気”を見せます。遠足のおやつを買いに行った先で、お金をなくしてしまうマサオくん。そこでしんのすけは自分のおつりでマサオくんの分を立て替えてあげるのですが、みさえはお金を使い込んだと思ってしんのすけを叱りつけてしまいます。

 それでもしんのすけは“真実を告げればマサオくんが怒られてしまう”と思い、どんなに叱られても本当のことを言おうとしません。最後はマサオくんと彼の母親が事情を説明し、しんのすけとみさえは和解します。「ごめんねしんちゃん、僕のせいで……」と謝るマサオくんに対し、しんのすけは「気にすんなよ」と返事するのでした。