『鬼滅の刃 遊郭編』アニメ放送を重ねるごと、高まっていく宇髄天元の魅力

 アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』で炭治郎たちと共に戦う、音柱・宇髄天元。元忍(しのび)で甘いマスクを持ち、派手好きで筋肉はムキムキ、さらに3人の妻がいるという、鬼殺隊のメンバーでも特にギラギラした経歴を持つ男です。初登場時には炭治郎の首を派手に斬ってやろうと言ったり、遊郭へ潜入する時には蝶屋敷の少女たちをさらいかけたり……。

 暴虐の化身のような男ですが、物語では男も「兄貴!」と惚れこんでしまいそうな、作中屈指の内面のカッコよさを披露していきます。

●派手さに隠れた、優しく真面目な男の一面

 派手さを何よりも重んじて、自らを「祭りの神」と称するヤバい男……そんな宇髄の表側のメッキが、アニメ本編でボロボロと崩れていきます。人力車にて遊郭へと向かう途中、宇髄はかまぼこ隊(炭治郎・善逸・伊之助たち一行)に「絶対に降りるな」と念を押します。

 しかし、そこはかまぼこ隊。善逸と伊之助は、目の前の異様な光景に一目散に飛び出していきました。怒られる炭治郎がかわいそうですが、結局彼らを捕まえる宇髄は、まるで引率の先生のようでした。アニメオリジナルのエピソードですが、彼らの関係性がとても分かりやすい演出だったと思います。

 宇髄は遊郭へ出かける以前、かなり傲岸不遜な態度でかまぼこ隊を威圧します。しかしひとたび任務へ出ると、そんな「最悪な上司」の片りんはまったく見せません。善逸が姿をこつ然と消してしまったときも、自分の責任を重く受け止め炭治郎たちに撤退を命じるほどです。

 アニメ第5話「ド派手に行くぜ!!」で、ついに本格参戦した宇髄の妻たち(雛鶴・まきを・須磨)にも、かつてないほど優しい笑顔で労をねぎらいます。彼はまきをの回想のなかで、自分の決めている「命の順序」を語ります。

 まずは3人の妻たち、次に堅気の人間たち、そして自分。はじめのチャラさからは想像もできない言動が飛び交い、こちらの持つ「宇髄天元像」が大きく揺らぎます。な、なんかっこよすぎませんか兄貴……?

 すでにだいぶ印象が変わった宇髄ですが、この先まだまだ彼の株は上がり続けます。忍として育てられたというつらく悲しい出自。その世界を抜けた先もまた、鬼殺隊という道を選び戦い続ける理由。熾烈さが増す上弦の陸との戦闘。どこをどう切り取っても、宇髄の強さ、決意と覚悟、他者への優しさが垣間見えます。

アニメではまだまだ、この男にドキドキさせられる瞬間が待っています。「兄貴―!」と叫びながら、最新話を楽しみたいものです。