「鬼の副長」と「マヨラー」キャラのギャップを見事に演じる!

 TVアニメ放送がついに1000話を超えた国民的名作『ONE PIECE(ワンピース)』。近づく“終幕”に向けて目が離せない展開が続き、大きな注目を浴びています。

 同作といえば「麦わら海賊団」の船長・ルフィをはじめ、数々の個性的なキャラクターが物語を盛りげていますが、なかでも高い人気を誇るのがルフィの右腕であるロロノア・ゾロ。ストイックでクールな剣士でありながらも、方向音痴など抜けている一面ものぞかせる男女ともに支持されるキャラクターです。

 この記事では、ゾロ役を見事に演じる声優・中井和哉(なかい・かずや)さんに注目。イケメンなのに天然……メリハリあるギャップを演じる中井さんの出演作を3つピックアップ。印象的なキャラクターの魅力を紹介します。

●『銀魂』土方十四郎

表紙に土方十四郎が描かれる 著:空知英秋『銀魂』第8巻(集英社)

 はじめに紹介するのが「週刊少年ジャンプ」の名作『銀魂』に登場する土方十四郎(ひじかた・とうしろう)。真選組「鬼の副長」と呼ばれる人気キャラクターです。

 隊の規則「局中法度」を定めた正統派のかっこいいキャラクター。「鬼」の呼び名通り、ひとたび刀を抜けば攘夷志士たちから恐れられる男です。中井さんの低音ボイスにピッタリ合致するクールで厳格な姿は、多くの女性ファンをとりこにしています。

 そして、物語が進むにつれてツッコミキャラとしての地位も確立していくと、極度のマヨネーズ好きという嗜好にフィーチャーしたギャグ回も描かれるようになります。中井さんは、コーヒーやラーメンにまでマヨネーズをぶっかける「マヨラー」キャラと「鬼の副長」のギャップを見事に演じています。

 そんな土方のキャラクター性が色濃く描かれたエピソードのひとつがアニメ第87話「私と仕事どっち大事なのとかいう女にはジャーマンスープレックス」。土方とかつて恋仲にあった沖田ミツバにまつわる「神回」と呼ばれる人気エピソードです。ミツバの幸せを願い、ミツバのために敵アジトへ単身乗り込んで剣を振るう姿はカッコ良すぎます。

 土方がミツバのことを思って口にした「俺はただ……惚れた女にゃ幸せになってほしいだけだ」といった名セリフが多く飛び出します。中井さんが渋みのある美声で、クールでシリアスな土方を完璧に演じた名エピソードではないでしょうか。

 そのほかにも中井さんは、アキバ系オタクの別人格「トッシー」など、土方のさまざまな魅力をメリハリをつけて演じています。『ONE PIECE』のゾロと同じく、どこか天然な一面を持つクールなイケメンキャラが作り出されていました。

「度し難い人間のクズ」と呼ばれるキャラまで演じる!

●『血界戦線』ザップ・レンフロ

表紙にザップ・レンフロが描かれる 著:内藤泰弘『血界戦線 Back 2 Back』第5巻(集英社)

 続いては、異世界もののバトルアクション作品『血界戦線』の人気キャラクター、ザップ・レンフロ。同作は異世界と現世をつなぐ街「ヘルサレムズ・ロット」を舞台に、街の均衡を守る秘密結社「ライブラ」の構成員たちの戦いを描いた物語です。

 中井さんが演じたザップはゾロや土方十四郎と違って、見た目はイケメンながらも基本的にはクズキャラです。お金と女性にだらしなく、ひと月の給料をその日に使いきってしまうほど浪費家。「ライブラ」のメンバーから「度し難い人間のクズ」「ダメ男のロイヤルストレートフラッシュ」などと呼ばれる始末です。

 作中では、女性の家で寝泊まりする「ヒモ」として生活するダメダメな姿を披露している一方で、主人公のレオナルドを密かに心配して、なんだかんだで面倒を見ている兄貴肌な一面も見せており、戦闘力も超一級。「斗流血法!(ひきつぼしけっぽう)」と技名を叫ぶ姿など、クズキャラとのギャップに高い人気を集めているようです。

 どんなキャラクターでも変幻自在に魅力満点にしてしまう中井さんの「七色の声」に注目したい作品です。

●『炎炎ノ消防隊』秋樽桜備

秋樽桜備が表紙に描かれる 著:大久保篤『炎炎ノ消防隊』6巻(講談社)

 最後は「週刊少年マガジン」にて連載中の人気ダークバトルファンタジー『炎炎ノ消防隊』から紹介します。主人公・森羅日下部(しんら・くさかべ)が所属する第8特殊消防隊の大隊長・秋樽桜備(あきたる・おうび)です。

 同作は、人が突如燃え出し、炎の怪物「焔ビト」となって、破壊の限りを尽くす「人体発火現象」に立ち向かう特殊消防隊を描く物語。2020年から舞台版も上演されており、人気を博しています。

 中井さんが声を担当する桜備大隊長は、鍛え上げられた肉体を武器に活躍する消防隊員。個性豊かな部下たちからタメ口を使われても怒らないなど、人間力が長けており、部下たちの面倒見もいい人気キャラクターのひとりです。中井さんの低音で落ち着いた声色が、桜備の人間としての温かみを豊かに表現しています。

 そんな桜備は筋トレマニアで日課のトレーニングは 「筋トレを超えた筋トレに近い何か」と称される肉体派。いき過ぎた筋トレ風景に思わず笑ってしまうこともしばしば。同作「肉弾戦最強」との呼び声も高いキャラクターです。

 アニメは第2期まで放送されており、第3期の放送スタートが待たれています。明るく前向きで部下をまとめあげる桜備の活躍に注目です。

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 以上、中井和哉さんの出演作を『ONE PIECE』のほかに3つ選んで紹介しました。『文豪ストレイドッグス』澁澤龍彦や、『鋼の錬金術師』マイルズなど、まだまだ紹介したいキャラクターは存在します。皆さんの心に残っている中井さんが声を担当したキャラクターは誰ですか?