マンガのアフロキャラは天然パーマが多い?

 月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』が2022年1月10日に放送を開始し、第1話からいきなり主人公が捕まり、自分の無罪を主張するという展開で話題を呼びました。田村由美先生の人気マンガが原作で、主人公の久能整(くのう ととのう)は、拗(こじ)らせたキャラと独特な推理と名言、そして目を引くアフロヘアが特徴です。

『ONE PIECE』のブルック、『ドラゴンボール』のミスター・サタンなど、有名なアフロキャラは多数いますが、今回は『ミステリと言う勿れ』のように「主人公がアフロヘアのマンガ」を紹介します。

※アフロヘアにもさまざまな定義があります。今回は「髪が大きく膨らんで丸い形になっているパーマの髪型」とします。

●「アフロ田中」シリーズ

 まずはタイトルに「アフロ」とはっきり入っている人気マンガ「アフロ田中」シリーズ。2001年に始まった『高校アフロ田中』から『中退』『上京』『さすらい』『しあわせ』『結婚』と続き、今後もシリーズは継続することが発表されています。

 主人公の田中広は天然パーマで、顔の1.5倍近くある見事なアフロヘア。単純なように見えて変なことにこだわり、野球が得意なのにボクシング部に所属するような性格で、そんな彼の高校時代からの波乱万丈の人生が描かれています。

 2012年に松田翔太さん主演で映画化、2019年に賀来賢人さん主演でドラマ化されましたが、ふたりとも端正な顔にドカンとしたアフロヘアが妙にハマっていました。

●宇宙兄弟

 宇宙開発に関わるさまざまな人間のドラマを描いた人気マンガ『宇宙兄弟』の主人公兄弟の兄・南波六太(なんば むった)は、田中に比べるとだいぶ控えめですが、天然パーマでアフロっぽい髪型をしています。勤めていた自動車設計会社の上司から先に宇宙飛行士になっていた弟・日々人(ひびと)を侮辱され、頭突きをして退職しました。たぶん髪型のせいで、そんなに威力のない頭突きになっていたのではないでしょうか。

 アフロの髪型のせいでコミカルな印象ですが、ずば抜けた器用さと発想力の持ち主で、弟もその実力を尊敬している優秀な人物。それでいて、「ドーハの悲劇」と同じ日に生まれているせいもあって、どこかネガティブで消極的な一面もあってうじうじ悩んでいることが多いのも、読者の共感を呼ぶキャラです。

 ネットでは大泉洋さんに似ていると言われていましたが、2012年の実写映画では小栗旬さんが地毛をアフロヘアにして六太を演じ、新たに三枚目な魅力を見せました。

自分を隠し、天然パーマも頑張ってストレートにしていた元OL・大島凪が変わろうともがく日々を描いたマンガ『凪のお暇』第6巻(秋田書店)

アフロは「自由」の象徴?

●凪のお暇

 黒木華さん主演のドラマも話題になった『凪のお暇』の主人公・大島凪は、OL時代、サラサラロングのストレートヘアをしていましたが、実はひどい癖っ毛で、何もしていないと天然パーマのアフロのような髪型になってしまいます。周囲に気を遣い過ぎて過呼吸にまでなった彼女は、心機一転、仕事も人間関係も家も断捨離して、天然パーマの本来の自分として自由な生活を送ろうとするのですが……。

 明確にアフロとは言われていないですし、おそらく凪本人もそう言われたら嫌がるかもしれませんが、この髪型のおかげで同じアパートに住む少女・うららちゃんに「ワンちゃんみたい」と好かれるなど得もしています。小さなコマで簡略化されて描かれている時の、本当にワンコみたいなビジュアルになっている凪も可愛くて魅力的です。

 同作では恋愛、お金、家族や友人との関係、ジェンダー、いろんなシビアな問題も描かれていますが、凪のアフロヘアのおかげで癒される場面も多く、ほっこり読めるマンガです。

●ボボボーボ・ボーボボ

 これまで実写化されているマンガを紹介してきましたが、『ボボボーボ・ボーボボ』だけは未来永劫実写化は不可能ではないでしょうか。マルハーゲ帝国から人類の毛の自由と平和を守るため、「鼻毛真拳」の達人ボボボーボ・ボーボボと仲間たちが戦いを繰り広げるという、超不条理ギャグバトルマンガです。一応ストーリーマンガですが、バトルも話の展開もギャグ(ハジケ)で構成されているという自由過ぎる作風で人気を博しました。

 主人公ボボボーボ・ボーボボのアフロはモジャモジャ感のない球体に近い形で、生え際は四角形になっているという異色のアフロヘア。バトルのなかでボーボボのハジケに合わせて何度も形状が変化しており、巨大化したり、なかに何か住んでいたりと、こちらも自由すぎます。特に理性が完全になくなって、アフロを半分くらいブチブチちぎって宙に浮かべていた時は衝撃でした……。

 アフロヘアは、50〜60年代の公民権運動のなかで、アフリカ系アメリカ人の間で「自由の象徴」として流行った髪型です。今回紹介したアフロの主人公たちもいろんな形で、「自由」を求めていると言えなくなさそうです。