現実より進みまくっている近未来SFアニメ

 2022年になって早くも20日ほどが経ちました。現実世界ではオミクロン株の急速な拡大や、トンガ海底火山の噴火などで激動の1年を予感させられます。一方でフィクション、とりわけアニメの世界でも2022年は重要な出来事が起きた1年でした。そのなかでも特に印象的な4つの出来事を振り返ってみましょう。

●VRMMORPG『ソードアート・オンライン』発売&サービス開始(『ソードアート・オンライン』)

 川原礫さんによる小説を原作とするアニメ、『ソードアート・オンライン』シリーズ。その最初の舞台であるVRMMORPG「ソードアート・オンライン」が発売され、サービスが始まったのは2022年でした。

 主人公のキリトやメインヒロインのアスナを始め、約1万人のプレイヤーがこの仮想空間にフルダイブしたところでとある事件に巻き込まれるのですが、物語の詳細はアニメ本編でご確認ください。なおゲーム「ソードアート・オンライン」は作中世界で初のVRMMORPGですが、ほかにも「アルヴヘイム・オンライン」や「ガンゲイル・オンライン」といったVRMMOゲームもリリースされています。

 現実世界ではMMORPGはゲームにおける定番ジャンルのひとつであり、VR技術もグッと身近になったことで多数存在しています。そして『SAO』のようにフルダイブ型ではないですが、2022年にはVRMMORPG『Zenith: The Last City』も発売される予定です。『SAO』に近い体験ができるのも、そう遠い未来ではないかもしれません。

●アメリカ西海岸で大停電(『ブレードランナー ブラックアウト 2022』)

渡辺信一郎氏が監督を務めたアニメ『ブレードランナー ブラックアウト2022』ビジュアル (C) 2017 Alcon Entertainment

 SF映画の金字塔『ブレードランナー』の舞台は2019年。その30年後を描く続編『ブレードランナー 2049』では、その前日譚となる短編映像が3本作られました。その内のWebで公開されたアニメ『ブレードランナー ブラックアウト 2022』の舞台が2022年です。

『坂道のアポロン』『残響のテロル』などを手がけた渡辺信一郎さんが監督を務めた本作では、アメリカ西海岸で発生した大停電の顛末が描かれました。この事件を引き起こした2体の人造人間「レプリカント」など、現実世界より技術的に進んでいる描写が多数見られるのも見どころ。また、原作へのリスペクト、そしてスタイリッシュかつ迫力に満ちた演出もあり、「2049」だけでなく多くの人に観てほしいSFアニメです。

月の破片が地球に降り注ぎ……

●月で大事故が発生(『カウボーイビバップ』)

実写化もされた人気アニメ『カウボーイビバップ』Blu-ray(バンダイビジュアル)

 前述の『ブレードランナー ブラックアウト 2022』の渡辺監督の代表作であり、2021年には実写版も公開されて話題を呼んだアニメ『カウボーイビバップ』。その主人公で賞金稼ぎのスパイクたちが、宇宙を股にかけて活躍するのは2071年です。しかし、その世界観に大きな影響を与えるきっかけとなった事故が、2022年に起こっていました。

『カウボーイビバップ』の世界の2022年では、月で行われた位相差空間ゲートの実験中に大事故が発生。これにより月の表面が大きくえぐられ、地球は月の破片が大量に降り注いで人がまともに住めない星となりました。その結果、人類は外惑星に移民するようになりますが、しばらく無政府状態となって治安が悪化し、警察の手も及ばないほど大量の犯罪が発生したため、犯罪者を賞金首とする「カウボーイ法」が施行されたのです。現実世界において、宇宙への移民はまだフィクションでの出来事である、もし同様の事故が起きたとしても、すぐに対応するのは厳しそうです。

●宇宙戦艦エクセリオン進宙(『トップをねらえ!』)

アニメ『トップをねらえ!』ビジュアル (C)BANDAI VISUAL・Flying Dog・GAINAX

『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明さんの初監督作『トップをねらえ!』。この不朽の名作ロボットアニメは、主人公のタカヤノリコが宇宙パイロット養成学校の沖縄女子宇宙高等学校に入学するシーンから物語が始まります。これが2021年の出来事でした。そしてそれと同時期に建造されていた宇宙戦艦エクセリオンが完成し、進宙したのが2022年です。ノリコはとある悲劇を経て進宙を記念したパーティーに姿を現し、その後はこの艦とともに宇宙怪獣と戦います。

 人類の天敵である宇宙怪獣と戦うための戦艦だけあって、全長7km以上と超巨大なだけでなく、光子魚雷を始め数々な武装を備えているエクセリオン。当然ですが、現実世界では宇宙怪獣やそれに類する生物が観測されていないため、その対抗手段となる巨大戦艦も建造されていません。それだけに「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」という本作のキャッチコピーにふさわしい、ロマンあふれる戦艦となっています。

 なお2018年に株式会社ガイナが、「2022年までの全世界上映を目指す」というコメントとともに劇場アニメ『蒼きウル』の制作を発表しましたが、同時に制作が明かされたのがシリーズ第3作にあたる『トップをねらえ3』でした。ファンとしては、こちらの続報も期待したいところです。