一般人キャラが与えてくれた情報や気付きとは?

『鬼滅の刃』で活躍するのは、主役の炭治郎や妹の禰豆子、鬼殺隊で同期の伊之助、善逸、そして柱たちだけではありません。数は多くはありませんが、市井の人びとも登場し、そのなかには、ただの「モブ」ではない一般人も存在します。

 この記事では、『鬼滅の刃』で、一般人でありながら、大切な情報を与えてくれた人、あるいは重要な気付きを与えてくれた人たちをご紹介します。

●炭治郎の命の恩人、三郎爺さん

 物語上で初めて鬼に言及したのは、炭治郎たち竈門家が暮らす山のふもとにひとりで暮らす三郎爺さんでした。三郎爺さんの「鬼が出るぞ」という言葉は、この『鬼滅の刃』の根源を表す非常に重要な言葉と言えるでしょう。

 少々ぶっきらぼうなところのある三郎爺さんですが、夜、山道を歩いて家に帰ろうとする炭治郎を呼び止め、危ないからと自宅に泊まらせて食事まで出してくれる親切な人です。

 そんな三郎爺さんは、「人食い鬼は日が暮れるとうろつき出す」ことや「鬼狩り様が鬼を斬ってくれる」ことも一般人でありながら知っており、まさに『鬼滅の刃』における「重要な情報を知る一般人」の代表と言えるでしょう。

●婚約者を鬼に殺された和巳(かずみ)さん

 炭治郎が最初の任務で倒した「沼鬼」は16歳の娘ばかりをさらって食べる鬼でした。そんな沼鬼に婚約者をさらわれたのが和巳さんです。

 和巳さんと一緒にいた時に婚約者がさらわれ、婚約者の父親からも殴られ、罵倒されて憔悴しきっていました。そして、沼鬼の「蒐集品」のなかに婚約者の髪飾りを見つけ、絶望のあまり炭治郎にも八つ当たりをしてしまいます。しかし、彼は炭治郎の悲しい笑顔や手を見て気付くのです。炭治郎もまた大切な人を失ったのだろうと。

 和巳さんは、家族を鬼に襲われたのち、鬼殺隊士となった炭治郎が久しぶりに接した一般人です。彼が炭治郎の手を見て、思わず出た「痛ましい手 硬く鍛え抜かれ 分厚い 少年の手ではなかった」という心の声は、それまで炭治郎がいかに厳しい修業を耐え抜いてきたのかを視聴者や読者に気付かせるという、とても大きな役割を果たしました。

●鬼に誘拐された清(きよし)

 鬼殺隊本部からの指令で鼓屋敷へ向かった炭治郎は、鬼にさらわれた兄・清を追ってきたという少年と少女に出会います。匂いをたよりに清のもとにたどりついた炭治郎は、鬼に50人、100人の人を喰ったのと同じくらいの栄養があるという「稀血(まれち)」の存在を知るのです。

 一般人である清のおかげで「稀血」という特殊な血の情報を得たことも大きな収穫です。また、鼓屋敷の戦いは、その後、かけがえのない存在となる善逸、伊之助との出会いのきっかけとなったという意味でも非常に大きな意味を持つものになりました。

●上弦の陸・堕姫(だき)に殺された人びと

「無限列車編」では、炎柱・煉獄杏寿郎の命を賭した活躍で、一般人の死者をゼロに抑えることができました。ですが、「遊郭編」では上弦の陸・堕姫の攻撃で一般人に死者が出てしまいます。

 炭治郎と堕姫の戦いに気付いた店主風の男が「うるさいぞ! おまえら!」と怒鳴りながら出てくると、それにイラついた堕姫は人間もろとも建物を斬るという攻撃を繰り出し、遊女や客に死者が出てしまいまったのです。

 突然、命を絶たれた人びとを見下ろして微笑む堕姫に炭治郎の怒りは頂点に達し、あと一歩というところまで堕姫を追い詰めます。ここでの「一般人の死」は、炭治郎だけではなく、音柱・宇髄天元の「俺は煉獄のようにはできねぇ」という葛藤も明らかにしました。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記