見ない日はなかったのに! 使われなくなってきた『鬼滅』の名ゼリフ

 TVアニメ『鬼滅の刃』遊郭編の放送が2022年2月に終わり、「鬼滅ロス」に陥った熱心なファンも回復している頃合いです。「刀鍛冶の里編」の放送開始まで、「鬼滅ブーム」はいったん落ち着くようです。

 ブームもまっただなかでは、聴かない日はないほど繰り返し使われていた「鬼滅流行語」がありました。今では少し懐かしさすら覚える名セリフを集めました。

●「全集中! ○○の呼吸」

 作中で「全集中の呼吸」を初めて口にしたキャラは錆兎です。狭霧山で訓練をしていた炭治郞に現れた錆兎は、鱗滝左近次の呼吸法について語り、圧倒的な強さを見せました。真菰の指導を受けながら、炭治郞は「全集中の呼吸」の特訓に励みます。鱗滝さんから与えられた「大きな岩を斬る」試練も乗り越えると、炭治郎は最終選別に臨みます。

 最終選別で遭遇した、50人も人を喰った手鬼に対し、炭治郎は「全集中・水の呼吸」を用い、戦いに勝利したのです。

 仕事や家事、勉強など、何かを頑張る際に気合を入れる意味で「全集中! ○○の呼吸」と心の中で叫んだ人は多いのではないでしょうか。子供たちの遊びでも、鬼殺隊ごっこが流行しました。

 その後炭治郎は「全集中の呼吸・常中」を身につけることになるので、「全集中!」の印象は薄れていったのかもしれません。

●「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」

 水柱・冨岡義勇のもっとも有名な名ゼリフです。鬼になった禰豆子を討伐しようとする義勇。「どうか妹を殺さないでください……」と土下座をして懇願した炭治郞に、義勇が返したセリフです。

『鬼滅の刃』で「生殺与奪」という言葉を覚えた人も多いのではないでしょうか。ちょっと長くて使いどころが限られるせいか、同じ義勇のセリフであれば「俺は嫌われてない」のほうが、汎用性が高そうです。

●「俺は○○だから我慢できたけど○○だったら我慢できなかった」

「俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった」は、鼓屋敷で響凱と戦った時の、炭治郎の心の声として描かれました。

 炭治郞は鼓屋敷に行く以前に、浅草での朱紗丸・矢琶羽との戦いの際に負ったケガが癒えていませんでした。善逸と出会った時も痛かったのですが、我慢していました。この時我慢できた理由を、炭治郞は「自分が長男だから」としています。

 大正時代と現代とでは、「長男」の重みが比較にならないほどだったのでしょう。「長男」「次男」の部分を置き換える言い回しが流行しました。

●「よもやよもやだ」

 無限列車で、魘夢の血鬼術によって炎柱・煉獄杏寿郎は眠らされてしまいます。目が覚めた煉獄さんが状況に気がついた時に口にしたセリフが「よもやよもやだ」です。

 煉獄さんは続いて「柱として不甲斐なし」と嘆く言葉を口にしていますが、表情は気合い充分。「よもや」というあまり使われない言葉も印象に残り、「うまい!」と合わせて「無限列車編」上映時に流行しました。

 ただし、「よもや」という機会そのものがあまりないせいか、最近はあまり聞きません。一方で、煉獄さんが遺したもうひとつの印象深いセリフ「心を燃やせ!」は、「遊郭編」で炭治郎が自分を奮い立たせる言葉としても登場しました。

●まだ使われてる?「判断が遅い」

 逆に、いまだに使われている名ゼリフもあります。それは鱗滝さんの「判断が遅い」です。

 これは優しすぎて鬼を殺せない炭治郞に、鱗滝さんが冷たく「妹が人を食ったらどうする」と、尋ねたあとのセリフです。炭治郞が黙っていると、鱗滝さんはビンタしてひと言「判断が遅い」。

 このやりとりは使いやすいせいか、いろいろな場所でコラにされて有名になりました。鱗滝さんがつけている天狗のお面から、天狗の絵文字ひとつで「判断が遅い」を意味するネットスラングとしても定着しています。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記