ゴールデンウィークは近年のアニメトレンドをおさえよう

「アニメのいっき見をしたいけど、最近はアニメが多くて何を観ればいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。そんな人には近年のアニメ界のトレンドを象徴するような、5つのキーワードを紹介します。最近はアニメから離れていたという方も、鉄板作品に加えこれらに関連するアニメをチェックすれば、面白いアニメが見つかるかもしれません。

●「心臓アニメ」:『IDOLY PRIDE -アイドリープライド-』など

 2021年にアニメファンの間でホットだったワードと言えば、「心臓」でしょう。まず冬クールに放送されたアイドルアニメ『IDOLY PRIDE -アイドリープライド-』において、亡くなった伝説のアイドル・長瀬麻奈の心臓がとある人物に移植されていることが終盤で明らかになる展開がありました。

 すると秋クールでは『SELECTION PROJECT』でも、亡くなった伝説のアイドル・天沢灯の心臓がとある人物に移植されていることが明らかになるという類似の展開があったのです。さらにこのアイドルアニメ2作品だけでなく、夏クールの『探偵はもう、死んでいる。』や2022年冬クールの『幻想三國志 -天元霊心記-』でも、「心臓」が大事な構成要素として登場。こうした「心臓アニメ」の頻出からわかるように、心臓は人間にとって重要な臓器であるためか、物語をドラマティックに演出するのに適した要素として扱われています。

●「僧侶枠」:『3秒後、野獣。〜合コンで隅にいた彼は淫らな肉食でした』など

「僧侶枠」アニメ『3秒後、野獣。〜合コンで隅にいた彼は淫らな肉食でした』キービジュアル (C)百瀬こあ/Suiseisha Inc.

「僧侶枠」とは2017年春クール放送の『僧侶と交わる色欲の夜に…』から始まった、「AnimeFestaオリジナルアニメ」の総称。22年春は、草食系の見た目ながら中身は「野獣」の男子と田舎から出てきた純粋な女子との恋愛を描く『3秒後、野獣。〜合コンで隅にいた彼は淫らな肉食でした』が放送されています。

 毎クールの世界観やキャラクターは変わりますが、シリーズ作品に共通しているのは毎回エッチな展開があるものの、肝心のシーンは地上波放送版では観られないこと。そして地上波放送版では放送時間が5分と短いため、やや無理な展開も多めです。しかしそれがこのシリーズ独自の面白さを生み出しており、女性向け作品が中心ながら男性ファンも多く、新作が放送され続ける人気の要因となっています。

「なろう」のブームがアニメにも

●「スローライフ」:『チート薬師のスローライフ 〜異世界に作ろうドラッグストア〜』など

「スローライフ」アニメ『チート薬師のスローライフ 〜異世界に作ろうドラッグストア〜』キービジュアル (C)ケンノジ/一二三書房,チート薬師製作委員会

「スローライフ」とは、のんびりと過ごしながら生活の質を高めようとするライフスタイルのこと。しかし近年のアニメにおいては、おもに小説投稿サイト「小説家になろう」発の「異世界でスローライフを送る作品」のことを指します。同サイトでは数年前に流行したジャンルですが、その波がアニメにも届いたのです。

 特に2021年は異世界のドラッグストアで悠々自適な生活を送る『チート薬師のスローライフ 〜異世界に作ろうドラッグストア〜』や、世界最強の魔女として愉快な日々を送る『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』など、同ジャンルの傑作が多く生まれました。いずれも戦闘などの激しいシーンは少なく、ほのぼのしたコメディタッチなシーンが多いため、まったりとアニメを楽しみたい方にはおすすめです。

●「続きはスマホゲームで」:『takt op.Destiny』など

「続きはスマホゲームで」アニメ『takt op.Destiny』キービジュアル (C)DeNA/タクトオーパスフィルハーモニック

 メディアミックスという概念に、アニメが含まれることが当たり前になってから長く経ちます。最近はアニメとスマートフォン用ゲームが近い時期に展開される、または既存のゲームへの誘導としてアニメが制作されることが目立ちます。

 そうした作品における傑作の例としては、キャスティングの妙を使った仕掛けが印象的だった『takt op.Destiny』や、終盤の衝撃展開で魅せた『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』『オルタンシア・サーガ』などが挙げられます。気になるヒキでアニメが終わり、物語が完全に完結しないことへの不満を持つ人もいるでしょうが、それはスマホゲームで同じ世界観の物語を楽しめることの裏返し。どっぷりと世界観に浸かりたい方は、こうした作品に手を出してみるのもいいかもしれません。

『ダンス・ダンス・ダンスール』キービジュアル (C)ジョージ朝倉・小学館/ダンス・ダンス・ダンスール製作委員会

●「(配信サービス)独占作品」:『ダンス・ダンス・ダンスール』など

 近年はTV放送ではなく、AmazonプライムビデオやNetflix、FODなどの配信サービスでアニメを観ている人も増えています。多くのアニメ作品は複数のサービスで配信されますが、一部の作品は単独のサービスで独占配信されています。

 最近の大きなトピックとしては、たとえば22年4月クールのアニメにおいては、『ダンス・ダンス・ダンスール』『ブラックロックシューター DAWN FALL』『サマータイムレンダ』の3作品がDisney+で独占配信されていることなどがが挙げられます。こうした「独占配信」にはアニメファンからは賛否両論ありますが、この傾向自体はしばらく続きそうです。配信サービスを選ぶ際は、自分の好きそうなアニメがどこで配信されているかをしっかりチェックし、それが独占配信であった場合はそのサービスを利用するきっかけにしてもいいのではないでしょうか。